クリミア半島から大量の住民が避難、ロシアへの橋に3万8000台以上の車が殺到
弾薬庫などの爆発が相次ぐウクライナ南部のクリミア半島から、多くのロシア人が逃れているという。
半島の住民や観光客のロシア人が避難
ロシア国営のタス通信によれば8月15日、クリミア半島からロシアへつながる橋「クリミア・ブリッジ」を3万8297台の車が通過したという。
避難しているのは、クリミア半島に住んでいたり、観光で訪れたりしていたロシア人で、9日にサキー飛行場で爆発があった時にも多くの人が避難し、一時橋が渋滞になったとも伝えられている。
またロシア政府が、これ以上クリミア半島の住民が逃げないよう、橋を閉鎖しようとしているため、これだけ多くの車が橋に殺到したとの、見方も出ている。
38,297 cars have crossed the Crimea bridge on 15th August, Russian state media TASS reports, citing the local department of road management.
This is a record amount of cars to cross the bridge in one day.
I wonder whether the record will be beaten today. pic.twitter.com/q1XbWTfJ2c
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) August 16, 2022
Putin’s fascist regime has closed the bridge connecting occupied #Crimea & mainland #Russia. 30,000+ escaped just yesterday before closure, which appears to have been done to prevent civilians from leaving & to allow regime administration & families to escape without traffic. pic.twitter.com/ipLpT0q9pz
— Igor Sushko (@igorsushko) August 16, 2022
再び弾薬庫で爆発、変電所で火災
クリミア半島では8月16日にも、北部にあるロシア軍の弾薬庫で爆発があり、鉄道施設が損傷。また南部にある変電所でも火災が発生した。
ロシア国防省は、この攻撃はウクライナ軍による「破壊工作」だとの見方を示しており、民間人2人がケガを負ったという。
ニューヨークタイムズなどは、今回の攻撃がウクライナ軍の精鋭部隊によるものだと伝えている。
軍事戦略は「混乱を作り出すこと」
ウクライナの大統領顧問であるミハイロ・ポドリャク氏は、英メディア「ガーディアン」のインタビューにおいて、ウクライナの軍事戦略は「混乱(カオス)を作り出すこと」であると述べたという。
さらにポドリャク氏は、16日のクリミアの鉄道分岐点と、空軍基地への謎の攻撃(9日に発生)と同様の攻撃が、「今後2、3カ月」の間にもっと起こるかもしれないと述べた。
無論、ポドリャク氏は、これらの攻撃がウクライナ軍によるものとは明言していない。しかし同氏は「我々の戦略は、兵站、補給線、弾薬庫など軍事インフラの対象を破壊することだ。ロシア軍自身の中で混乱(カオス)を作り出すことだ」と述べた。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: explosions reported in Crimea; Kyiv publishes identities of soldiers accused of war crimes – as it happened(8/16)