ウクライナ軍が南部ヘルソン地方などで反攻開始、軍司令部が発表
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ウクライナの南部軍司令部は8月29日、同国南部でロシア軍に対する反攻作戦を開始したと発表した。(アイキャッチはイメージ)
ヘルソンなど、さまざまな方面で攻撃開始
ウクライナ公共放送「Suspilne」が報じたところによれば、ウクライナ南部軍司令部のナタリア・フメニウク報道官は「今日、我々はヘルソン地方を含む様々な方面で攻撃行動を開始した」と述べたという。
フメニウク報道官は、攻撃に関する詳細な説明は避けたが、「ウクライナ軍が最近行ったロシア南部の物流ルートへの攻撃は、「疑いなく敵を弱体化させた」と主張。この1週間で10カ所以上のロシア軍の弾薬庫が攻撃されたと明らかにした。
ウクライナの新聞は、すでにヘルソン州のドニエプル川「右岸」で反攻を開始したと報じており、前線に配備された兵士たちは、この地域のロシアの防衛線の第一線を突破することができたと伝えている。
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前大統領「待望の反攻作戦」
ウクライナのペトロ・ポロシェンコ前大統領も、すでに反攻作戦が進行中だと主張しており、CNNの取材に対し、「これは待ちに待った反攻作戦だ。本日(8月29日)午前7時(現地時間)、砲撃とミサイル攻撃により開始された」と述べている。
この反攻作戦では、西側の大砲や、高機動ロケット砲システム「HIMARS」、ミサイルなどが配置されたとみられ、これほど多くのウクライナ軍が集結したのは今年の2月以来初めてだという。
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アメリカも、ほぼ同様の見方を示す
アメリカも、ウクライナ軍が南部での反攻のために、「態勢を整えつつある(shaping)」との見方を示している。
2人のアメリカ政府高官によれば、反攻作戦には空と地上作戦の組み合わせが含まれると考えられるという。
態勢を整えるための作戦は、標準的な軍事行動であり、通常は敵の兵器システム、指揮統制(司令部)、弾薬庫などを攻撃し、計画的な前進のために戦場を整えることを意味する。
ロシア国防省「試みは失敗した」
一方、ロシア国防省はウクライナ側の主張を否定。「敵の攻撃の試みは無惨にも失敗した」と述べたという。
ロシア国営通信社「Ria」も、ウクライナ軍が南部のミコライウとヘルソンで攻勢を試み、大きな犠牲を出したとする、国防省の発表を引用している。
ウクライナ軍は以前から、ドニエプル川に架かる橋を攻撃し、「西岸」にいるロシア軍部隊への補給路を断つなどの作戦を続けてきた。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: Ukrainian troops begin counter-offensive in south, says military command – as it happened(8/29)