ボーイング787の翼をテープで補修、写真が話題になり航空会社が説明
ツイッターユーザーが、旅客機の主翼に何ヶ所もテープが貼られているのを撮影し、投稿した。バラバラになりそうな翼をテープで繋ぎ止めているのでは……というようなジョークも出るほど話題になり、アメリカのメディアがいろいろ調べたところ、テープの目的が分かった。
翼に謎のテープ
オーストラリアのオペラ歌手David Wakehamさんは、先週、ボーイング787-9ドリームライナーという機種の旅客機に乗った。窓からは主翼が見え、そのあちこちに、何かを補修するようにテープが貼ってあった。
その様子に何か危ないものを感じたのだろう、Wakehamさんは写真を撮り、「乗りたい航空会社を選ぶときは、賢く選ぼう。カンタス航空は安全より利益を優先させている」というコメントを付け、オーストラリアの議員に宛ててツイートした。
When choosing your favourite airline, choose wisely. @Qantas Profits before safety. pic.twitter.com/pGentzAxov
— David Wakeham (@WakehamDavid) September 22, 2022
メディアによれば、Wakehamさんは同じ写真をアメリカのソーシャルニュース掲示板「Reddit」にも投稿しており、そこでは「応急修理だろう」といった冗談交じりのコメントが多く寄せられたそうだ。穴やヒビ割れをテープで塞いでいるとしたら、あながち冗談では済まなさそうだが……
塗装の剥がれを覆っている
この件について調査したメディアは、テープによる補修は「翼の構造的完全性」には関係ないものである、と言っている。
では何のためかというと、塗装の剥がれた個所を覆うために貼っているとのこと。ボーイング787-9という機種に使われている塗料は、紫外線に弱く、剥がれやすいことで知られているそうだ。このことは、2020年にアメリカ連邦航空局が発表している。
そして、塗装の剥がれは「翼の構造的完全性に影響せず、飛行の安全性にも影響はない」と、ボーイング社の広報担当者は言っている。
ボーイングだけでなく、エアバス社のエアバスA350という機種にも同様の塗装の問題があり、過去に航空会社から訴えられたことがあるらしい。そのときに裁定した欧州航空安全機関は、「塗装の問題は機体の構造に影響せず、塗装以外のことについて危険を生むことはない」という結論を出したとのこと。(了)
出典元:New York Post:Airline explains why plane wing covered in duct tape after photo goes viral(10/2)