Switch news

知っておきたい世界のニュース

クリミア大橋の爆発でロシア側の知事らが報復を要求、また被害の影響とは?

クリミア大橋の爆発でロシア側の知事らが報復を要求、また被害の影響とは?
Twitter/Mick Ryan, AM

10月8日に、ロシア本土とウクライナのクリミア半島を結ぶ橋が爆発したが、プーチン大統領は、ウクライナによる「テロ行為」だと断定した。

 

「大陸間弾道ミサイルの攻撃準備はできている」

 

プーチン大統領は10月9日、ビデオ演説においてケルチ橋(クリミア大橋)の爆発について、次のように述べた。

 

「間違いない。これは極めて重要な民間インフラを破壊することを目的としたテロ行為であり、ウクライナの特殊部隊によって考案され、実行され、命令された」

 

またすでに橋の爆発が明らかになってから、ロシアの高官やロシア占領地域の知事らが、報復を求めているという。

 

ロシア与党のオレグ・モロゾフ副議長は「RIAノーボスチ通信」に対し、「我々に対する明白なテロ戦争だ」と語った。

 

ロシアに任命されたウクライナ・ヘルソン地方のキリル・ストレムソフ氏も「誰もが報復攻撃を待っており、それが来る可能性は高い」と述べている

 

ロシア南部・スタヴロポリ地方のヴァレリー・チェルニツォフ副知事は、ツイッターで次のように報復を匂わせた。

 

「ウクライナの皆さん、あなたの都市、特に大きな都市から離れなさい。大きな驚きが待っているからだ。Sarmatミサイル(大陸間弾道ミサイル)は攻撃する準備ができている」

 

「影響力において作戦の勝利」

 

ロシア側はすでに橋の一部が限定的に開通し、クリミアのSergei Aksyonov知事も 「(被害は)致命的ではない」と述べ、半島は1カ月分の燃料と2カ月分以上の食料を保有していると語っている。

 

またロシア国防省も、ウクライナ南部のロシア軍には、既存の陸路と海路を通じて「完全に(軍事物資など)を供給できる」と述べた。

 

しかし軍事アナリストは、ロシアがすでに厳しい状況にある軍隊を他の地域からクリミアに移す必要があると判断した場合、あるいは住民の退去を急がせた場合、今回の爆発は大きな影響を与える可能性があると指摘している。

 

オーストラリア軍の元少将で、現在はワシントンの戦略国際問題研究所に所属するミック・ライアン氏によれば、たとえウクライナが今回の爆発に関わっていなかったとしても、「ウクライナにとっては、大規模な影響力において作戦の勝利」を構成するものだとし、次のように述べている。

 

「(このことは)ロシア軍が最近併合したどの地方も守ることができないということを、ロシア人、そして世界の人々に示すものである」

 

英国防省「重大な影響の可能性」

 

またイギリスの国防省も、今回のケルチ橋の爆発は、ロシア軍に「重大な」影響を与える可能性があると指摘している。

 

イギリス国防省によれば、この橋の鉄道輸送は、ロシアのウクライナ侵攻の際、南部戦線への軍事車両(特に重量のある車両)の移動に重要な役割を果たしてきたという。

 

このため鉄道の損傷の程度は不明だが、その能力に深刻な障害があれば、ウクライナ南部のロシア軍に大きな影響を与える可能性が「非常に高い」と指摘している。(了)

 

 

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: Putin calls Crimea bridge attack an ‘act of terrorism’ — as it happened(10/9)

出典元:MailOnline:Russian governors threaten missile attacks on Ukraine’s ‘big cities’ in a ‘desire to seek revenge’ for the Crimea bridge explosion as top Putin propagandist calls for total war and return to brutal Stalinist-era operations(10/9)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top