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ロシア軍占領下のヘルソン州の町から人々が避難、ウクライナ大使館に血塗られた小包

ロシア軍占領下のヘルソン州の町から人々が避難、ウクライナ大使館に血塗られた小包
flickr_Jesús Pérez

ウクライナ南部ヘルソン州のロシア占領下の町で、人々の避難が行われることになった。(アイキャッチはキーウ近郊)

 

ロシア軍は供給拠点をさらに移動か

 

ヘルソン地域の親ロシア派当局は、ドニエプル川東岸にある町、Kakhovkaから一部の人々の避難を開始すると発表した。

 

避難は12月3日に行われる予定だが、先日ウクライナ軍は川の東岸からロシア軍も一部撤退しているとの見方を示していた。

 

イギリス国防省は、ロシア軍が先月ドニエプル川西岸から撤退したことで、ウクライナ軍がロシアの兵站拠点や通信網をさらに攻撃する機会を得た可能性があると分析している。

 

また最新の報告によれば、この脅威により、ロシアの物流関係者は、鉄道の中継地など供給拠点をさらに南や東に移動させた可能性が高いという。

 

最大1万3000人のウクライナ兵が死亡

 

ただウクライナ軍も大きな犠牲が出ており、大統領顧問のMykhailo Podolyak氏によると、2月にロシアが侵攻して以来、最大1万3000人のウクライナ兵が死亡したという。

 

この犠牲者数はウクライナ軍参謀本部の公式な数字であり、ゼレンスキー大統領は「適切なタイミングが来たら」総計を公表すると述べているそうだ

 

しかも以前、戦闘の激しい時期には、1日に100人から200人のウクライナ兵が戦場で死んでいると公表していたため、この「1万3000人」も控えめな数字と考えられている。

 

動物の目が入った血まみれの小包

 

一方、ウクライナ外務省によれば、12月2日には海外の複数のウクライナ大使館などに、動物の目が入った「血まみれの小包」が送られてきたという。

 

これらを受け取ったのは、ハンガリーやオランダ、ポーランド、クロアチア、イタリアにあるウクライナ大使館、そしてナポリなど総領事館や領事館で、その小包は独特の色と匂いを持つ液体に浸されていたそうだ。

 

スペインのマドリードにあるウクライナ大使館も、「血のついた小包」を受け取っており、スペイン警察は大使館周辺を封鎖したという。

 

スペインでは数日前に、アメリカ大使館や武器製造会社、空軍基地、欧州衛星センター、ペドロ・サンチェス首相や国防相宛てなど、ウクライナ戦争に関連する場所や人物に、6件の手紙爆弾が送られたことが明らかになっている。

 

ロシア産の石油に価格上限で合意

 

EU加盟国は、ロシア産の石油に1バレル60ドルの価格上限を設けることで合意した。

 

これは化石燃料からのロシアの収入を減らすための措置で、EUはウクライナでの戦争におけるロシアの資金調達能力を低下させるために、船で運ばれた原油に支払われる金額を制限することで合意したという。

 

またこの措置は、EUのロシア産原油の禁輸措置が12月5日に実施された後、世界の原油価格の高騰を回避するためとも考えられている。

 

ドイツのオラフ・ショルツ首相は先日、ロシアのプーチン大統領と会談し、ウクライナでの戦争において、「ロシア軍の撤退を含む」外交的解決策をできるだけ早く見出すよう要請したという。

 

しかしプーチン大統領は、その議論をするなら、ウクライナ4州の併合を西側が認めるべきだと述べたそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Moscow demands west recognises annexations before peace talks – as it happened(12/2)

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