ベルリンで1万人の抗議デモ、ウクライナへの武器供与に反対の声
ドイツの首都・ベルリンでは2月25日、ウクライナへの武器支援に反対する抗議デモが行われた。
武器供与に反対、交渉で解決を求める
この抗議デモを主催したのは、「左翼党」の女性議員であるSahra Wagenknecht氏と、フェミニスト運動家のAlice Schwarzer氏だ。
彼女らは、ウクライナへの武器供与に反対すると同時に、ドイツ政府に対し、ロシアのプーチン大統領との交渉に道を開くことで危機を打開するよう求め、ブランデンブルク門で抗議デモを行った。
主催者側はこのデモに5万人が参加したと述べているが、警察側は1万3000人が集まったと推定している。
「殺戮を止めろ!」
デモの参加者たちは、次のような横断幕を掲げたという。
「今日はヘルメット、明日は戦車、明後日はあなたの子供たち」
「手榴弾の代わりに外交官を」
「殺戮を止めろ!」
「私の戦争ではない!私の政府ではない!」
「Norbert」と名乗る元兵士の男性は、取材に対し「私たちは戦争や、戦争を挑発する者たちの奴隷のようになっている」と指摘。「本当の敵は、ロンドンとニューヨークにいる」と書かれた横断幕を掲げていたという。
この「本当の敵」とは「この戦争の背後にいる存在で、戦争終結に何の関心もない金融勢力のことだ」と「Norbert」さんは語っている。
またデモの周辺では、ジョン・レノンの「イマジン」の曲が流され、非暴力主義を唱えたインドの革命家、マハトマ・ガンジーの大きな肖像画も掲げられたそうだ。
ウクライナ支援のデモも実施
一方、その近くではウクライナへの共感を示すデモも行われ、「プーチンの戦争を止めろ」「ウクライナの自衛を助けろ」と書かれた横断幕が掲げられたという。
またベルリンにあるロシア大使館の前でも、青と黄色の国旗に包まれたウクライナ人のグループが「ウクライナに武器を届けないことは、大量虐殺支援に等しい」などのスローガンを掲げた。
ウクライナの都市リヴィウ出身で、現在はベルリンに住むRoman Overkoさんは、次のように語っている。
「交渉するというのは甘い考えです。そんな人類の敵と、どうやって交渉するんでしょう?普通の人のように話すことはできません。プーチンは第2のヒトラーです」
またウクライナ人の映画監督、Yevhen Titarenko氏も、デモに参加する前に次のように述べている。
「デモ隊は平和主義者だと言っている。まあ、私も平和主義者だ。でも、もし誰かがあなたの家のドアを吹き飛ばそうとしたら、と想像してほしい。もし撃ち返さなければ、彼らはあなたを殺し、あなたの全財産を奪い、あなたの妻をレイプし、あなたの子供を殺すでしょう。精神異常の老人と協定を結ぶのは意味がない」
ちなみにWagenknecht氏も、昨年2月20日、ロシアがウクライナに侵攻する前、テレビに出演し、次のように述べていたという。
「プーチンが世間で言われているような存在ではなく、国境を変えるという考えに酔っている狂ったロシア民族主義者ではないということが嬉しいんです。もしそうであれば、交渉はおそらく無意味でしょう」(了)
出典元:The Guardian:Thousands protest in Berlin against giving weapons to Ukraine(2/25)