娘が描いた「戦争反対」の絵のため、ロシア人の父親に2年の刑
ロシアで、子供が描いた絵のために、父親に対し有罪判決が下された。
娘が学校で戦争反対の絵を描く
その父親とは、モスクワの南、トゥーラ州で暮らすAlexei Moskalyovさん(54)だ。
彼が住む地区の学校では以前、子供たちにロシア軍をイメージした作品を作るよう求めたという。
そしてAlexeiさんの13歳になる娘、Mashaさんは学校で、女性と子供を狙ったロシア軍のミサイルを描き、「ウクライナに栄光あれ」「戦争反対」というフレーズを書き込んだそうだ。
その後、父親のAlexeiさんは学校に呼び出されて、尋問を受けたという。また地元当局は、彼がウクライナ支持をネットに書き込んでいたことを突き止め、5万7000円の罰金を支払うよう命じたそうだ。
またAlexeiさんは当時、ロシアの防諜機関であるFSBのさらなる尋問に直面したと訴えている。
2年の刑で有罪となるが…
しかしこれで終わりではなかった。その後、娘のMashaさんは親から引き離され、孤児院に相当する「リハビリ・センター」へ送られた。Alexeiさんは娘に会うことも禁じられ、刑事手続きが開始されたという。
そして3月28日、裁判においてAlexeiさんは「繰り返し軍の信用を失墜させた」と認定され、有罪判決が下され、2年間の厳しい流刑地での生活を命じられた。
ただし裁判所の関係者は、Alexeiさんが前夜に逃亡したと報告。以来、行方が分からなくなっており、法廷にも姿を現さなかったと明らかにした。
この報告に対し、Alexeiさんを支援していた人々は、裁判所で歓声を上げたそうだ。
15万人が請願書に署名
裁判の最初の方で、Alexeiさんは「法廷にいる人たちは、ウクライナの戦争に90%反対している」と発言していたという。
またAlexeiさんを支援するために、15万人が請願書に署名。専門家もMashaさんを「リハビリ・センター」に収容するのに、法的根拠がないと主張したという。
しかもこの地元当局に対応については、あの民間軍事会社「ワグネル」のエフゲニー・プリゴジン氏も批判。Alexeiさんに支援を申し出ているそうだ。(了)
出典元:METRO:Russian dad jailed and daughter sent to orphanage after she made ‘No to War’ sign(3/28)