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米がウクライナへ、長距離ミサイルの供与を承認間近か?

米がウクライナへ、長距離ミサイルの供与を承認間近か?
Twitter/Republicans against Trump

アメリカの新聞は、ウクライナへの長距離ミサイル・システムの承認が間近に迫っていると報じている。

 

射程300kmの「ATACMS」

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ウクライナの防衛当局高官の話として、アメリカがウクライナへ、長距離ミサイル・システムの供与を間もなく承認するとの見方を報じている。

 

この長距離ミサイルは「戦術ミサイル・システム(ATACMS)」とみられ、射程は約306km。前線のはるか後方から、ロシア軍の標的を攻撃できると言われている。

 

ウクライナの国防当局の高官は、ここ数週間でアメリカがミサイル・システムに関して前向きな兆しを見せたと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に語ったという。

 

アメリカのバイデン大統領は、ウクライナがこのミサイルを使ってロシアの領土を攻撃し、紛争をエスカレートさせるのではないかという懸念もあり、この供与に署名していない。

 

しかしウクライナ政府高官は、ロシアが占領しているクリミア半島への攻撃のためには、長距離ミサイルが必要だと主張してきた。

 

「ゆっくりと、しかし確実に前進」

 

一方、戦況の方だが、ウクライナ軍は南部や東部で、わずかに進軍しているようだ。

 

6月26日、ウクライナのHanna Malyar国防副大臣は、ドネツク州ヴォルノヴァ地区にあるRivnopol村が、ロシア軍の占領から解放されたことを明らかにした。

 

またウクライナのヴァレリー・ザルジニ司令官は、マーク・ミリー米統合参謀本部議長との会談で、東部と南東部、バフムト周辺の前線で、「ゆっくりと、しかし確実に」前進している、と語ったという。

 

さらにザルジニ司令官は、「ウクライナ軍は、戦略的イニシアチブを握ることに成功した」と語ったそうだ。

 

ただ27日にロシア軍のミサイル攻撃が行われた、ウクライナ東部の都市、クラマトルスクでは死者が12人に上った。

 

ウクライナの国家緊急サービスによると、27日の夕方、2発のイスカンダルミサイルが市内中心部にあるピザレストランに撃ち込まれたという。

 

当時、店は満員で、この攻撃により少なくとも56人が負傷。死者は4人の子供を含む、12人になったそうだ。

 

「ワグネル」はウクライナでの戦闘に参加せず

 

民間軍事会社「ワグネル」は、今後ウクライナでの戦闘に参加しないと報じられている。

 

ロシア下院国防委員会のアンドレイ・カルタポロフ委員長によると、「ワグネル」のエフゲニー・プリゴジン氏はロシア国防省との契約を拒否したため、もはやウクライナで戦うことはないという。

 

「ワグネル」の反乱の前から、ロシア国防省は「戦闘任務を遂行するすべてのグループは、国防省と契約を結ばなければならない」と発表していた。

 

しかしプリゴジン氏は、その契約に署名せず、「ワグネルは特別軍事作戦に参加しない」と述べたそうだ。

 

これにより「ワグネル」には、資金や物資が割り当てられなくなるという。

 

「ワグネル」の商品が人気?

 

一方、ロイター通信によると、反乱が頓挫して以来、「ワグネル」の徽章が入った商品などの価格が高騰しているという。

 

ロシアのEコマース大手「ワイルドベリー」の価格内訳では、「ワグネル」の制服に縫い付けられるドクロのワッペンの価格が上昇。

 

6月18日から25日の間では294ルーブル(約490円)だったものが、6月25日から29日の間に525ルーブル(約875円)の値を付けたそうだ。

 

またヴァイオリンを持った「ワグネル」の戦闘員の絵が描かれた黒いTシャツの価格も、今週、1236ルーブル(約2060円)から1650ルーブル(約2750円)に跳ね上がったという。(了)

 

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Wagner mercenaries will no longer fight in Ukraine; Putin greets crowds in rare walkabout – as it happened(6/29)

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