リビアの砂漠地帯に80人の難民が置き去り、国境警備隊が救助
リビアの砂漠地帯に、数多くの難民が置き去りにされているのが見つかり、その後救助された。
難民がチュニジアから追われる
リビアの国境警備隊によれば、7月15日、サハラ以南のアフリカ諸国から来た少なくとも80人の難民たちが、首都トリポリから西に約150kmの国境付近の町、アル・アサに近い砂漠地帯で発見されたという。
難民らは、チュニジア第二の都市スファックスで7月上旬に起きた人種騒乱の後、チュニジア当局によって水も食料も避難所も与えられずに、国境を越えた砂漠地帯に連行され、置き去りにされたそうだ。
彼らは目に見えて疲れ果て、脱水症状も起こしており、砂の上に座ったり横たわったり、灌木を使って最高気温40度を超える灼熱の夏の暑さから身を守ろうとしていたという。
リビアの国境警備隊は、難民らを救出し、彼らに水を与え、避難所に連れて行ったそうだ。
子どもや女性のグループも目撃
動画に映っているリビアの国境警備隊の隊員によれば、数百メートル離れたチュニジア国境付近で、子どもや女性を連れた別のグループも見つけたという。
また動画には救出された男性が、「チュニジア警察は、私たちをリビアに強制送還した」と語る様子も映っていたそうだ。
その男性は「リビアの国境警備隊の助けがなければ、砂漠で死んでしまっただろう」と語り、妻と子供たちが残るチュニジアに戻りたいと述べていたという。
難民がチュニジア人の男性を殺害
実は7月3日には、チュニジアの地元の住民と、難民との間で口論が行われ、その後チュニジア人の男性が殺害される事件が起きていた。
これによりチュニジア国内で人種間の対立が深まり、何百人もの難民がチュニジア東部の港湾都市、スファックスから逃げ出したり、強制退去させられたりしたそうだ。
スファックス港は、ヨーロッパでのより良い生活を求めて、多くの難民がボートで危険な地中海横断をする出発点となっている。
またチュニジアの権利保護団体は7月14日に、女性や子供を含む100人から150人がまだリビアとの国境で立ち往生していると述べていた。(了)
出典元:The Guardian:Libyan border guards rescue migrants left in desert near Tunisia(7/16)