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内臓の位置が逆になっている2人の患者、肺移植の手術に成功

内臓の位置が逆になっている2人の患者、肺移植の手術に成功
X_Northwestern Medicine

アメリカのイリノイ州で、内臓の位置が逆になっている患者2人に、肺の移植手術が行われた。

 

「反転した臓器」を持つ2人

 

その患者とは、イリノイ州のクック郡で暮らすデニス・ディアさん(50)と、ヤハイラ・ベガさん(27)だ。

 

彼らは、生まれつき「反転した臓器」を持つ「内臓逆位症」と呼ばれる遺伝的疾患を患ってきたという。

 

しかもベガさんは、内臓の逆位に加え、気道の線毛が粘液を外に出すことができず、粘液が溜まってしまう、「原発性線毛機能不全症」も患っていた。

 

病状が悪化するにつれ、ベガさんは移植リストに載せられ、わずか9日間で適合者が見つかったため、4月28日にノースウェスタン記念病院で手術を受けたという。

 

「間質性肺疾患」を発症

 

一方、ディアさんも筋肉の炎症があり、肺に瘢痕を残す「間質性肺疾患」を発症していたという。

 

ディアさんは今年の3月末に両肺移植の候補者としてリストアップされ、その後数カ月は酸素吸入で過ごしたそうだ。

 

5月22日、ディアさんは医師から適合者が見つかったとの連絡を受け、その後ノースウェスタン記念病院において、2つの肺の移植手術が行われ、成功した。

 

内臓逆位の患者への手術は難しい

 

そもそも「内臓逆位症」のほとんど人は、自分がその状態であることに気づかず、普通の生活を送っているが、他の合併症を併発することもあるという。

 

また肺移植は常に複雑な手術で、逆位患者の場合はさらに難しいそうだ。

 

胸部外科のチーフであるアンキット・バラット医師は、記者会見で、次のように述べている。

 

「この疾患で1回の肺移植を行うのは稀であり、ましてや同じ医療機関で1ヶ月の間に2回の肺移植を行うのは、さらに稀です」

 

ベガさんは手術が成功した後、次のように述べている。

 

「新しい肺を手に入れたことで、私はとても元気になり、また笑うことができるようになりました。ドナーとその家族、そして素晴らしい移植チームに感謝しています。彼らのおかげで、私は人生を取り戻すことができました」(了)

 

出典元:ABC News:2 patients receive double-lung transplants due to rare ‘flipped organs’ condition(8/8)

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