AI生成の偽トム・ハンクスが怪しいものを売っている、本人が注意喚起
ハリウッドの名俳優が、なりすましの被害に遭って困っている。AIで生成された偽トム·ハンクスが、SNS上で歯科治療保険の宣伝をしているという。
本人が偽物のスクリーンショットを投稿
トム·ハンクスさんは、先日、インスタグラムのフォロワーに向けて、こんな投稿をした。
注意!! AIバージョンの私が何かのデンタル·プラン(歯科治療保険)を宣伝するビデオが出回っている。私本人とは何の関係もない。ーートム·ハンクス
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投稿された写真は、そのビデオからのスクリーンショット。もちろん本人ではなく、AIで生成されたいわゆるディープフェイクだ。
ハンクスさんを宣伝に利用しているのが誰かは分かっていないが、違法であることに間違いないだろう。アメリカのThe New York Times紙が、ハンクスさんに、訴訟を起こす気があるかどうかを尋ねているが、回答は得られていない。
フェイクに警鐘を鳴らす
ハンクスさんは以前から、AIが生成するフェイク映像を危惧していた。例えば、「The Adam Buxton Podcast」というポッドキャストに出演した際には、こんなことを話していた。
「現代ではAIのディープフェイクを使って、誰でも、あらゆる年齢の自分を再現することができるようになった。私がある日バスに轢かれたとしたら、私自身はそれで終わりだが、私のパフォーマンスを(ディープフェイクを使って)永遠に続けることも可能だ」
さらに、ディープフェイクが法律的な問題を生じさせることについても言及している。
「AIやディープフェイクは理解の範囲を超えて、本物と偽物の見分けをつかなくするだろう。そして、偽物も、ある程度は、本当に生きているのと変わらなくなるはずだ。(演技という)芸術の面で、これは明らかな困難を生むだけでなく、法律の面でも厄介なことになるに違いない」(了)
出典元:The Western Journal:We’re Serious: A Fake Tom Hanks Is on Loose, Hawking Fake Dental Plan(10/3)
出典元:The New York Times:Tom Hanks Warns of Dental Ad Using A.I. Version of Him(10/2)