ガザ地区での犠牲者が1万人を超える、国連職員や医療従事者も多数犠牲に
イスラエル軍による攻撃で、ガザ地区ではパレスチナ人の犠牲者が1万人を超えた。
88人の国連職員、150人の医療従事者が死亡
ガザ地区の保健当局によれば、イスラエル軍の攻撃により、11月6日には死者総数が1万22人となり、その中には4104人の子供が含まれているという。
国連職員や医療従事者の被害も甚大で、国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)で働いていた職員、少なくとも88人が殺害され、47棟の建物も被害を受けたという。
またガザ地区では、少なくとも150人の医療従事者が殺害され、救急隊員18人が死亡。100棟以上の医療施設が被害を受けたそうだ。
しかしイスラエル軍の攻撃は収まらず、11月5日夜にもガザ地区北部のal-Shifaの町には、集中的に空爆が行われ、通信も遮断されたと言われている。
lsrael renews its heavy bombing of Gaza Strip. pic.twitter.com/yntDZox0pO
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) November 5, 2023
Gaza Strip last night. pic.twitter.com/6daKascLs6
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) November 6, 2023
50万人以上が餓死の危機
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は11月6日、国連本部での会見で、「ガザ地区では、安全な人間は誰もいない」とし、この状況は「人道危機というだけでなく、人類の危機だ」と述べたという。
そして「イスラエルの地上作戦と砲撃が民間人、病院、難民キャンプ、モスク、教会、避難所を含む国連施設を襲っている」と非難。民間人の保護は「最優先でなければならない」と訴えた。
またパレスチナ赤新月社はSNSで、ガザ市内のal-Quds病院に電力を供給する発電機の燃料備蓄が危機レベルに達しており、48時間以内に枯渇すると述べた。
その上でパレスチナ赤新月社は、国際的な保健・人道団体に対し、特にガザ地区北部地域へ、重要な支援物資と必需品を迅速に提供するよう訴えている。
また国際慈善団体「アクションエイド」も11月6日に声明を発表し、食糧供給の不足が「危険な」レベルに陥り、ガザ北部では50万人以上が餓死の危機に瀕していると警告した。
「アクションエイド」は声明において「食糧と水の供給が、ほぼ完全に枯渇しており、約1カ月にわたる激しい爆撃を辛うじて生き延びている、ガザ北部の民間人の命が危険にさらされている」と訴えた。
一時停戦の可能性について会談
アメリカのバイデン大統領は11月6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、人道支援を促進するため、ガザ地区でのイスラエル軍の作戦を「戦術的に一時停戦する可能性」について話し合ったという。
しかしその一方で、バイデン大統領はガザ地区での紛争において、「アメリカは断固として、イスラエルを支援している」と伝えたそうだ。
またアメリカ政府は、イスラエルに対して3億2000万ドル(約480億円)相当の、精密誘導弾の提供を計画しているという。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: Biden and Netanyahu discuss ‘tactical pause’, White House says; 10,000 Palestinians killed by Israeli strikes, Gaza health ministry says(11/6)