「バルフォア宣言」を行った人物の肖像画が、切り裂かれる【動画】
イスラエル建国のきっかけとなった人物の肖像画が、1人の女性によって、切り裂かれた。
イギリスの元外務大臣の肖像画
その肖像画とは、1914年に描かれたアーサー・ジェームズ・バルフォア卿の絵で、ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに飾られていたという。
バルフォア卿は1917年当時、イギリスの外務大臣を務めており、「バルフォア宣言」を行った人物とされている。
そして3月8日、親パレスチナの団体「パレスチナ・アクション」のメンバーとみられる女性が、バルフォア卿の肖像画に赤いスプレーをかけ、鋭利なもので切り裂いた。
BREAKING: Palestine Action spray and slash a historic painting of Lord Balfour in Trinity College, University of Cambridge.
Written in 1917, Balfour’s declaration began the ethnic cleansing of Palestine by promising the land away — which the British never had the right to do. pic.twitter.com/CGmh8GadQG
— Palestine Action (@Pal_action) March 8, 2024
「バルフォア宣言」とは?
1917年に発表された「バルフォア宣言」では、イギリス政府の公式方針として、パレスチナの地にユダヤ人の祖国(national home)を作ることに賛意を示し、支援が約束された。
しかし同時にイギリス政府は、アラブ側と「フサイン・マクマホン協定」を結んでおり、第一世界大戦でオスマン帝国との戦争に協力することを条件に、それまで帝国に支配されていたアラブ人の独立を承認すると約束していた。
つまり、一方でユダヤ人がパレスチナに居住地を作ることを支援し、一方でアラブ人の独立を認めるとしていたのだが、このイギリス政府の外交方針が、今日の「パレスチナ問題」の遠因になったとも考えられている。
今回の事件を受け、トリニティ・カレッジの広報担当者は、警察に通報し、「肖像画に損害が生じたことを遺憾に思う」と声明を発表。
「パレスチナ・アクション」も声明において、「肖像画の破壊は、特に現在の紛争に焦点を当て、バルフォア宣言以来、パレスチナの人々に起きた流血の惨事に、注意を喚起することが目的だった」と述べている。(了)
出典元:New York Times:Activists Deface Portrait of Balfour, Who Supported Jewish Homeland(3/8)
出典元:BBC:University of Cambridge Balfour painting damaged by Palestine Action(3/8)