イギリスで14年ぶりに政権交代へ、野党・労働党が412議席を獲得し圧勝
イギリスで下院議員を選ぶ総選挙が行われ、最大野党の労働党が圧勝し、政権交代することが決まった。
412議席、単独過半数を獲得
イギリスでは7月4日に下院議員を選ぶ選挙が行われ、すでに開票作業もほぼ終わり、下院の650議席のうち、野党の労働党が412議席を獲得。200議席以上も増やして圧勝し、単独過半数を獲得した。
与党だった保守党は240議席以上減らし、120議席。党首がユニークな選挙戦を展開した自由民主党は71議席、スコットランド国民党(SNP)は8議席(38減)、シンフェイン党は7議席(増減なし)、右派の「リフォームUK」は4議席、緑の党は4議席(3増)、ウェールズ党(プライド・カムリ)は4議席(2増)となった。
2019年の総選挙では、保守党が365議席を獲得したが、コロナ禍での対応や、パーティー・スキャンダルなどにより支持を失い、今回議席を大幅に減らすことに。
労働党のキア・スターマー氏は、党首に就任して4年。14年間続いた保守党政権に代わり、今後首相に就任し、新たな政権を担うことになる。
We said we will stop the chaos. And we will.
We said we will turn the page. And we have.
The work of change begins today. pic.twitter.com/nROZuPdxNj
— Keir Starmer (@Keir_Starmer) July 5, 2024
世界大戦以来、4度目
スターマー党首は、ロンドンで支持者を前に勝利演説を行い、「われわれはやりとげた。変革はいま始まる。希望の光が未来を取り戻すチャンスを得た。この国を再び照らしている」と喜びを語った。
その上で「信頼を得るための闘いは、私たちの時代を決める闘いだ。私たちは自分たちが公共サービスとしての政治を行うのにふさわしいと、必死に訴えてきた。新政権にとってはまずは、国が最優先で、党はその次だ」と述べた。
労働党の党首が国のリーダーになるのは第2次世界大戦以来、4度目となり、1997年にはトニー・ブレア元首相が率いた労働党は、418議席を獲得した。
コロナ禍に首相官邸内でパーティー
一方、保守党では、ボリス・ジョンソン政権時に、コロナ禍で国民に規制を強いる中、首相官邸内でパーティーを開いていたことが発覚し、激しい批判を浴びた。
その後のリズ・トラス政権は、減税策を打ち出すも、金融不安を引き起こし、首相就任からわずか45日で辞任。リシ・スナク政権下でも、保守党の議員が選挙に関連し、賭博を行っていたことが発覚した。
またイギリス国内では激しいインフレ、物価高、エネルギー価格の高騰を受け、国民の不満も高まっていたという。(了)
出典元:BBC:Rishi Sunak to resign as Conservative Party leader after crushing election defeat(7/5)
出典元:The Guardian:Exit poll shows Keir Starmer on course for landslide UK election victory(7/4)