「ヒズボラ」のメンバーが所有するポケベルが一斉に爆発、9人が死亡、2750人が負傷
レバノン南部を支配するシーア派武装組織「ヒズボラ」。そのメンバーが所有する通信機器が一斉に爆発し、多数が負傷した。
「ヒズボラ」のメンバーが所有していた
9月17日の午後3時45分頃(現地時間)、レバノンの首都・ベイルート南部の郊外やレバノン南部など、全土で「ポケベル」と思われる通信機器が同時に爆発したという。
このポケベルは「ヒズボラ」の戦闘員や関係者の多くが所持していたとみられ、爆発により少なくとも少女1人を含む9人が死亡、2750人が負傷したそうだ。
レバノンの保健省によれば、死者の中には8歳の少女も含まれており、負傷者のうち200人が重篤な状態にあるという。
また隣国のシリアでも、「ヒズボラ」のメンバーが所有していた「ポケベル」が爆発、14人が負傷したそうだ。
アルジャジーラによると、「ヒズボラ」の指導者ナスララ師は数カ月前、イスラエルによるサイバー攻撃などを警戒し、戦闘員に対してスマートフォンの使用を控えるよう求めており、この通信機器が主要な連絡手段になっていたという。
Lebanese health officials say at least nine people have been killed and nearly 3,000 are injured after electronic pagers exploded across the country in an apparent attack targeting Hezbollah. pic.twitter.com/J4548DmGMu
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 17, 2024
国会議員の息子も死亡
レバノンでの死亡者の中には、ヒズボラ所属の国会議員の息子も含まれており、他にも2人の高官の息子が負傷した。
息子のマフディさんを殺された、著名な国会議員であるAli Ammarさんは、AP通信に対して「これはレバノンに対する、イスラエルの新たな攻撃だ。レジスタンス(ヒズボラ)は、適切な時期に適切な方法で報復するだろう」と述べている。
現時点で、ポケベルがどのように爆発したのか、あるいはポケベルに爆発物が仕掛けられていたのかについては、何も分かっておらず、捜査当局も明らかにしていない。
ただ専門家らは、ポケベルの爆発を「長期にわたって計画された作戦」との見方を示しており、イスラエルが「ヒズボラ」へ届けられるポケベルの出荷を認識し、配達前にポケベルを改造した可能性を指摘している。
またもう1つの方法として、電子パルスが何らかの方法で送信され、機器を焼き、爆発させた可能性も指摘されている。
「ハマス」やイランも攻撃を非難
ガザ地区の武装組織「ハマス」は、一連のポケベルの爆発は、イスラエル政府に全責任があると主張。「このテロ行為は、敵であるシオニストによる、この地域へのより大規模な侵略の一部である」と述べた。
またポケベルの爆発により、レバノンに駐在するイラン大使のMojtaba Amani氏も軽傷を負っており、イランの外相はレバノンの外相と電話会談し、今回の「テロ攻撃」を強く非難。またAmani大使に素早く治療を提供したレバノン側に、感謝の意を表したという。
一方、イスラエル側はこの攻撃について、まだコメントをしていない。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel war on Gaza live: 9 killed in Lebanon as Hezbollah pagers explode(9/17)