ジョージアの選挙管理委員長、顔に黒いペンキをかけられる
ロシアの隣国、ジョージアで議会選挙の結果を確定する会議が行われ、そこで選挙管理委員長の顔に黒いペンキがかけられた。
投票不正の疑惑が浮上
ジョージアでは11月15日、首都のトビリシで中央選挙管理委員会の会議が開かれ、10月26日に行われた議会選挙の結果が確定した。
会議では、与党「ジョージアの夢」が得票率53.93%を獲得したと発表されたが、実はこの選挙にはロシアが介入し、投票が不正に行われたとの疑惑が浮上していたという。
このため野党支持者は、議会選挙の投票結果を受け入れることを拒否。選挙管理委員会の会議でも、野党「統一国民運動党」のDavid Kirtadze氏が、「投票結果は有権者の真の選択を反映していない」と批判した。
その後、Kirtadze氏は、選挙管理委員長のGiorgi Kalandarishvili氏の前に向かい、顔に黒いペンキを投げつけた。その瞬間がこちら。
Georgia’s election chief doused with black paint.
Soros sanctioned stoolie Opposition United National Movement leader David Kirtadze attacked the official during summary statements about the parliamentary elections, sparking a scuffle.
Protests are ongoing outside the Central… pic.twitter.com/YsmF7sBB2n
— Paul Kikos 🌐 (@PKikos) November 16, 2024
「外国エージェント」法を可決
与党「ジョージアの夢」は、ロシアで富を築いた億万長者、Bidzina Ivanishviliが設立した党で、今年5月には外国から資金提供を受けている団体を規制する法案を可決させた。
この法案は資金の20%以上を外国から提供されている団体に対し、「外国のエージェント」として登録することを義務づけるもので、ロシアでも法律化されており、政府の意に沿わないNGOやメディアの活動を制限することに使われてきた。
そのため首都ではこの法案に反対するデモが続き、EU=ヨーロッパ連合もジョージアの加盟申請手続きを中止した。
ジョージアの国民は、今回の議会選挙を欧州連合加盟への取り組みを問う、極めて重要なものだと考えてきたという。
EU加盟を支持するジョージアのズラビシビリ大統領も、今回の議会選挙の結果を受け入れることを拒否。「ジョージアは、EUの加盟を望まないロシアの圧力の犠牲になった」と述べている。(了)
出典元:AP:Georgia election chief doused in paint as protests continue after divisive parliamentary vote(11/17)