EUが「X」への調査を加速、アルゴリズムの提出を求める
欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会は、イーロン・マスク氏のSNS「X」に対し、アルゴリズムに関する内部文書を提出するよう求めた。
デジタルサービス法に基づき調査
SNSの「X」は、違法コンテンツの拡散や情報操作への取り組み方をめぐり、2023年12月からEUのデジタルサービス法(DSA)に基づき、調査を受けてきたという。
そして現在も、「X」はシステムを操作して、極右団体や特定の政治家などの投稿を、他の政治団体よりも目立つようにしているのではないか、と非難されている。
このため欧州委員会は1月17日、EUの規則に違反したかどうかの調査を強化するため、「X」にアルゴリズムに関する内部文書を提出するよう求めたそうだ。
違反があれば「禁止」や「罰金」を科す
具体的に欧州委員会は、ユーザーにコンテンツを提案する「レコメンド・システム」のアルゴリズムに関する内部文書と、同システムに対する最近の変更を、2月15日までに確認したいと、「X」側に伝えたという。
また1月17日から12月31日までの間、レコメンド・アルゴリズムの設計と機能の将来の変更に関する内部文書と情報の「保存」も命じたそうだ。
EU・デジタル委員会のHenna Virkkunen委員は、「X」がDSAに違反していることが判明した場合、EUは躊躇なく権限を行使して「X」を禁止したり、罰金を科したりするだろうとし、次のように述べた。
「EUで運営されているすべてのプラットフォームが、すべてのヨーロッパ市民にとってネット環境を公正で安全かつ民主的なものにすることを目指す、EUの法律を尊重するよう努めています」
マスク氏は最近、ヨーロッパの政治に介入し、各国指導者を攻撃したり、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を表明したりしてきた。
欧州委員会は、「X」のアルゴリズムが単一の意見を強調し、他の意見を「シャドーバン」して公正な選挙にリスクをもたらしているかどうか、評価しているという。(了)
出典元:The Guardian:EU asks X for internal documents about algorithms as it steps up investigation(1/17)