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中国の科学者がバイオニック・ペニスを開発、人への応用を目指す

中国の科学者がバイオニック・ペニスを開発、人への応用を目指す
photo AC

中国の科学者グループが、バイオニック·ペニスとも言うべき人造組織を開発。勃起不全の治療に希望が見えてきた。現在、豚による試験で問題なく機能することが確認されている。

 

勃起の維持に必要な組織

 

中国·華南理工大学の科学者グループは、陰茎の中にある白膜という組織を、合成樹脂(ポリビニルアルコール)から人工的に作ることに成功した。

 

白膜は、陰茎の静脈を拘束し、血液の戻りを防ぎ、勃起状態を維持するのに必要な線維性の組織(Wikipedia)。性行為や交通事故、外科手術のミスなどで損傷することがあり、そうなると勃起不全となってしまう。

 

今回開発に成功した人工の白膜を、損傷した白膜と入れ替えれば、勃起不全を解消することができる。同大学のXuetao Shi教授は、動物実験でその効果を確認し、こう話す。

 

「我々は人工白膜を作るプロセスの問題点や機能的な効果について、大体のことは予測していました。しかしそれでも、動物実験の結果には驚いてしまいました。人工白膜を用いるやいなや、全く正常な勃起状態が回復したのです」

 

本物の白膜の微細構造を真似た人工白膜が、本物と同じ機能を発揮した。この点が、医学的には大きな進歩になるそうだ。

 

Matter/Bionic artificial penile Tunica albuginea

 

人への応用を目指す

 

Shi教授によると、年齢40才から70才までの男性のうち約半数が、何らかの形で勃起不全を経験しているとのこと。また、20人に1人は陰茎軟化症(ペロニー病)で性行為に支障をきたしているそうだ。

 

他にも、性行為時に陰茎がダメージを受けるなどして白膜が傷つき、痛みをはじめとした様々な症状に悩む人もいるという。

 

医学の世界でこうした分野はほとんど注目されていないが、「関連するニーズは膨大だ」とShi教授。現時点で出来上がっているのは人工白膜だけだが、次の段階では、勃起する陰茎全体を人工的に作ることを目指すそう。(了)

 

出典元:Matter:Bionic artificial penile Tunica albuginea(1/4)
出典元:Metro:Bionic penis whipped out by excited scientists to help erectile dysfunction(1/4)

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