「鉱物資源を渡さないとスターリンクを遮断させる」トランプ政権がウクライナを恐喝
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アメリカ政府が、すでにウクライナに対し、衛星インターネットシステム「スターリンク」へのアクセスを遮断する可能性を提起した、と報じられている。
鉱物資源の取引を拒否した後、議題に上がる
ウクライナのゼレンスキー大統領は昨年秋、自国に埋蔵されているレアアースやグラファイト、ウラン、チタン、電気自動車のバッテリーの主要部品であるリチウムなどの稀少な鉱物資源を開放する提案をした。
しかし先日、トランプ政権のスコット・ベッセント財務長官は会談で、ウクライナの重要な鉱物資源の50%、約5000億ドル相当分を要求。ゼレンスキー大統領は、安全保障が確約されていないとし、アメリカ政府の要求を拒否した。
その後、アメリカとウクライナ政府の担当者との協議で、「スペースX」社が運用する「スターリンク」へのウクライナでのアクセスに関し、議題で取り上げられたという。
しかもこの問題は、2月20日に行われたゼレンスキー大統領と、アメリカ特使のキース・ケロッグ氏との会談でも取り上げられ、「ウクライナが重要な鉱物資源に関する合意に達しなければ、スターリンクのサービスがすぐに停止される可能性がある」と伝えられたそうだ。
「スターリンクを失うことは大打撃」
「スペースX」社のCEOであるイーロン・マスク氏は、2022年2月のロシアの侵攻後、何千もの「スターリンク」の端末をウクライナに急送し、ウクライナで英雄として称賛された。
その以来、ウクライナ軍にとってドローンが軍事戦略上の1つの柱となり、その運用には「スターリンク」が不可欠となっている。
しかしその後、マスク氏は何故か、ウクライナの戦争対応に批判的になり、2022年秋に少なくとも1度はアクセスを制限したという。
今回の問題に関して、アメリカ政府の情報筋は、「ウクライナは、スターリンクで動いている。彼らはスターリンクを、北極星とみなしている。スターリンクを失うことは、大打撃となるだろう」と述べている。
この件に関しては、ホワイトハウス、アメリカ国防総省、「スターリンク」を運営する「スペースX」も、まだコメントを出してはいない。
出典元:CNBC:U.S. could cut Ukraine’s access to Starlink internet services over minerals, say sources(2/21)