アメリカのラーメン店店主、チップを巡る常連客との口論で炎上

米イリノイ州にあるラーメン店の店主が、チップを巡って常連客と激しく口論し、その様子がSNSで拡散。店が炎上し、地域住民から閉店を求められるほどの騒動となっている。いったい何があったのだろうか。
チップを置かない常連客
4月19日、イリノイ州エバンストンでラーメン店“Table To Stix Ramen”を営むケニー・チョウ氏は、常々チップを支払わずに店を後にする常連客を追いかけた。その目的は、「二度と来ないでほしい」と伝えることだ。
その時の様子は動画に撮影されている。
動画に映る常連客の主張は、「料理代は支払った。店がメニュー以上の金額を請求することはできない」というものだ。一般的にチップはメニューに記載されていないが、料理の代金は支払っているため問題ないと考えているようだ。
両者のやり取りは激化し、上記の動画にはないが、店主が客に向かって暴言や「ビンタしてやろうか」などの脅迫ともいえる発言をする場面もあった。
この常連客が他の店でもチップを払わないのか、この店でのみチップを払わないのかは不明だ。しかし、チップを払わなかった理由を尋ねられた客は、オンライン上で「ただ、そうしたくなかった」と述べている。
動画が拡散された後、客が黒人であったことから、店主に対して人種差別であるとの非難が起こった。
店主は深く反省
この出来事がX(旧Twitter)で拡散されると、店の歩道に「Table to Stixは反黒人だ」というメッセージが描かれたり、店の電話対応やソーシャルメディアのアカウントを停止せざるを得なくなったりといった影響を受けた。
また、チョウ氏はCBSの取材に対し、動画を見て恥ずかしいと感じたと語っている。「夫として妻に、オーナーとして店に恥をかかせた。同時に両親にも」と今では感じているそうだ。
その後、この客の兄が来店し、チョウ氏は客とその家族に謝罪したということだ。さらに、客の好みの品、手書きの謝罪状などを渡して帰宅させたということだ。
地域住民が抗議活動
チョウ氏の反省は、地域住民には十分ではないようだ。5月3日には、店の前に50人の地域住民が集まり、抗議活動が行われた。抗議の多くはチョウ氏に謝罪を求める内容だったが、抗議の中心人物であるキャロリン・ラフ氏は、「私は謝罪など求めていない。この店を閉鎖するためにここにいるのだ」と述べた。
エバンストンのラーメン店で起きたチップを巡る店主と客の対立は、店主の行動が黒人客への人種差別であるとの批判を呼び、地域社会の一部で人種間の緊張を高める要因となっている。(了)
参考:CBS「Evanston restaurant owner apologizes after video shows him confronting customer for not tipping」(4/24)
参考:Daily North Western「‘Shut it down’: Table to Stix owner apologizes for tipping dispute amid calls for accountability」(4/28)
Table To Stix Ramen