プーチン大統領、ゼレンスキー大統領との直接交渉を拒否、トルコへ向かわず

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの大統領と和平交渉を行う用意があると述べていたが、プーチン大統領は直接会談を行いたくないようだ。
「トルコで待つ」
5月10日、ヨーロッパ各国の首脳とウクライナのゼレンスキー大統領が会談を行い、ロシアに無条件の30日間の停戦を呼びかけ、応じない場合は、さらに制裁を科すと迫った。
これに対してロシア側は、ヨーロッパの結束を嫌がり、ウクライナと5月15日に、トルコのイスタンブールで直接交渉をすると発表。これを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領との直接会談を提案し、「トルコで待つ」と述べた。
しかしロシアの大統領府は5月14日、プーチン大統領がトルコへは向かわないと、正式に発表。ただしウクライナとの交渉は行うとし、代表団はプーチン大統領の側近で、2022年の直接交渉を主導したウラジーミル・メジンスキー氏が率いると明らかにした。
実りの無い交渉を繰り返す可能性
この発表の直後、アメリカ政府の関係者も、トランプ大統領がこの会談を欠席すると述べた。実はトランプ氏は、この会談でプーチン氏が出席するなら、同席すると述べていたという。
ロシア側の代表団を率いるメジンスキー氏は、保守強硬派(極右)で元文化相とされ、この人物が選ばれたということは、2022年のトルコで行われた実りの無い交渉を、ロシア側が再び繰り返そうとしていると考えられている。
実際、2022年のトルコでの交渉では、ロシア側がウクライナ軍の規模の制限や、西側諸国の支援による再建阻止といった、ウクライナ側が受け入れがたい条件を突きつけてきて、結局物別れに終わった。
ゼレンスキー大統領はすでに5月14日にはトルコのアンカラへ向かっており。その後トルコのエルドアン大統領と会談する予定となっている。
しかしゼレンスキー大統領は、プーチン氏が来れば、すぐにイスタンブールへ飛ぶ用意があるとしつつも、「もしプーチン大統領が来ず、策略を巡らすなら、彼が戦争を終わらせるつもりがないことは明らかだ」とも述べていた。(了)
出典元:The Guardian:Putin will not travel to Istanbul for peace talks with Zelenskyy, Kremlin confirms(5/14)