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恒星間を移動する物体を観測、高速で太陽系に向かっている

恒星間を移動する物体を観測、高速で太陽系に向かっている
NASA

天文学者らが、現在速いスピードで、太陽系へ向かっている物体を発見した。

 

彗星の兆候を示す

 

NASAは7月1日、この物体がチリに設置された小惑星衝突早期警報システム「ATLAS」によって収集されたデータの中で、初めて検出されたと明らかにした。

 

国際天文学連合の「小惑星センター」によれば、この物体の周辺のコマ(光が輝く部分)や短い尾といった特徴は、彗星活動の兆候を示しているという。

 

また7月2日に発表されたNASAの最新情報でも、6月14日から行われた、3つの異なる「ATLAS」望遠鏡による観測において、彗星の存在を裏付けるデータが得られたそうだ。

 

地球に脅威を与えることはない

 

NASAによると、この彗星は星間空間から発生し、いて座の方向から到来しており、現在地球から約4億2000万マイル(約6億8000万km)の距離にあるという。

 

天文学者らは、この彗星が地球に脅威を与えることはなく、少なくとも1億5000万マイル(約2億4000万km)の距離にとどまるとの見方を示している。

 

またこの彗星は10月30日頃に太陽に最接近すると推定されており、その距離は約1億3000万マイル(約2億km)で、火星の軌道のすぐ内側を通過するそうだ。

 

時速24万kmで地球に接近

 

スペイン、バルセロナ近郊にある宇宙科学研究所の天体物理学者、ジョセップ・トリゴ=ロドリゲス氏がAP通信に語ったところによると、「A11pl3Z」または「3I/ATLAS」と名付けられたこの天体は、直径約25マイル(約40km)になるという。

 

この彗星は時速約15万2000マイル(約24万km)の速度で移動しており、天の川銀河から太陽系内部に接近しているそうだ。

 

太陽系内部に進入した恒星間物体が記録されたのは、史上わずか3例目しかない。

 

2017年には、「オウムアムア」と呼ばれる葉巻型の恒星間物体が観測され、2019年には、別の恒星系から迷い込んだと思われる「21/ボリソフ」と呼ばれる彗星が確認されている。

 

出典元:ABC News:Astronomers spot ‘interstellar object’ speeding through solar system(7/4)

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