米軍がベネズエラ沖で麻薬組織の船を攻撃、4人を殺害

アメリカ・戦争省(旧国防総省)のピート・ヘグセス長官は10月3日、南米ベネズエラ沖の国際水域で、船舶への新たな攻撃を命じたと明らかにした。
船を攻撃する動画も投稿
ヘグセス長官はSNSの「X」において、「攻撃はベネズエラ沖の国際水域で行われた。船舶は大量の麻薬を輸送しており、アメリカ国民を毒殺するためにアメリカに向かっていた」と投稿。
また「情報機関によれば、この船舶は麻薬を密輸しており、乗船者は麻薬テロリストであり、麻薬密輸の既知の輸送ルートを航行していたことが確認された」と主張した。
その後、この攻撃により、麻薬テロリストの男4人を殺害したと発表。小型のスピードボートと思われる船が、攻撃により破壊される動画も投稿した。
Earlier this morning, on President Trump’s orders, I directed a lethal, kinetic strike on a narco-trafficking vessel affiliated with Designated Terrorist Organizations in the USSOUTHCOM area of responsibility. Four male narco-terrorists aboard the vessel were killed in the… pic.twitter.com/QpNPljFcGn
— Secretary of War Pete Hegseth (@SecWar) October 3, 2025
今回で4回目の攻撃
トランプ政権が、ベネズエラ沖の国際水域で、麻薬組織と疑われる船舶に攻撃するのは、今回で4回目となる。
9月2日、アメリカ軍は最初に疑わしい船舶に攻撃を加え、乗船していた11人が死亡したと発表。トランプ大統領はその後、乗船していたのはベネズエラの犯罪組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーだと主張した。
その後、9月15日と19日にも攻撃を行い、数人が死亡。しかしトランプ政権は相手が誰だったのか、また船舶がアメリカに向かっていることをどのように知ったのか、について、明らかにすることを拒否した。
法律の専門家は疑問を呈す
これまで民間の犯罪組織に対しては、法執行機関(警察など)が対処してきたため、一部の法律の専門家は、トランプ政権による軍事力の行使に疑問を呈している。
しかしトランプ政権は、すべての麻薬カルテルを「外国のテロ組織」と見なしているため、軍による活動は正当だと主張しているという。
議員から詳細を問われた当局者は今週、アメリカは麻薬カルテルと「武力紛争」を繰り広げており、違法薬物を密輸する者は「違法戦闘員」とみなすべきだと考えている、と議会で証言したそうだ。(了)
出典元:ABC News:Hegseth announces another US attack on alleged drug boat off Venezuelan coast(10/4)