「ヨルダン川西岸を併合したら、イスラエルへの支援を打ち切る」トランプ氏が発言

イスラエルの議会で先日、ヨルダン川西岸地区の「併合」に関する法案の採決が行われたが、トランプ政権はその動きを牽制した。
「侮辱されていると感じた」
その法案は、ヨルダン川西岸地区にイスラエル法を適用する内容で、「併合」に等しく、10月22日にイスラエルの議会で採決が行われ、予備承認された。
しかしその後、イスラエルを訪れていたアメリカのJ・D・バンス副大統領は、採決について記者団に問われ、次のように述べた。
「もしこれが政治的な策略だとしたら、非常に愚かな行為であり、私自身も侮辱されていると感じている。ヨルダン川西岸地区は、イスラエルに併合されることはない。トランプ大統領の政策は、ヨルダン川西岸は併合されないということだ。これは常に我々の方針だ」
その後、イスラエルのネタニヤフ首相の事務所は、22日の採決はバンス副大統領の訪問中に分裂を煽ることを狙った、「意図的な政治的挑発」だったと述べたという。
またネタニヤフ首相は、ヨルダン川西岸地区の併合に関連する議会法案の審議停止を命じたそうだ。
「アメリカからの支援を全て失う」
トランプ大統領も23日に「タイム」誌に掲載されたインタビューで、「アラブ諸国に約束したので、それ(ヨルダン川西岸地区の併合)は起こらないだろう。もしそうなれば、イスラエルはアメリカからの支援を全て失うことになるだろう」と述べた。
また23日にイスラエルを訪問したアメリカのマルコ・ルビオ国務長官も、パレスチナ占領地に対するイスラエルの主権拡大計画は、「和平合意にとって潜在的に脅威となる」との見方を示した。
実は、トランプ政権内には以前、イスラエルのヨルダン川西岸地区の併合を支持する者もいたという。
しかし今では、トランプ大統領がガザ地区での「20項目に及ぶ和平計画」を推し進め、彼自身がヨルダン川西岸地区の併合に反対している。
また複数のアラブ諸国などもトランプ氏を支持しており、23日に発表された共同声明では、12か国以上のイスラム諸国とアラブ諸国が、イスラエルの「併合」法案を「国際法の明白な違反」と非難した。(了)
出典元:The Guardian:Vance says Knesset votes on annexing West Bank are an ‘insult’ as Netanyahu halts progress(10/23)


























