アナログレコードの売り上げがCDを抜いた、80年代以来初めてのこと
レトロなポリ塩化ビニール製のアナログレコードが、今年になって人気を取り戻して来たようだ。アメリカのほとんどのレコード会社が加盟する「全米レコード協会」から、ちょっと驚く数字が発表された。
アナログレコードの売り上げ増
今月10日に全米レコード協会から発表された「2020年中期歳入統計(MID-YEAR 2020 RIAA REVENUE STATISTICS)」で、アナログレコードの売り上げが、CDを抜いていると分かった。
今年の上半期、アナログレコードの売上額は前年(上半期)より約4%増加して、2億3210万ドルだった。一方、CDの売り上げは前年より減少し、1億2990万ドルに。比較すると、アナログレコードの方がなんと1億ドル以上も多く売り上げている。
全米レコード協会によれば、これは1980年代以来初めてのことだそう。音楽CDが最初に発売されたのは1982年(ウィキペディア)、CDがアナログレコードの売り上げを抜いたのは1986年頃のこと。それ以来優勢だったCDが今年、アナログレコードに抜き返された。
ストリーミング/ダウンロードが全盛
アナログレコードは伸びているものの、CDや音楽カセットテープ、音楽ビデオなどといった古いタイプの媒体全体を合わせると、売り上げは著しく減少している。
これは新型コロナウイルスの影響が大きい、と同協会はコメントしている。音楽ショップへの客足が減ったことや、音楽公演が中止になって会場でのCD販売ができなくなったこと、そして、職を失った多くの人が娯楽への出費を削ったことが、売り上げ減少に繋がったようだ。
音楽販売の主流になっているのは、実店舗を必要としないストリーミングやデジタル音源のダウンロードだ。今年上半期の音楽の売り上げ全体の中で、ストリーミングが占める割合は85%。これは前年の数字(79%)からさらに増えている。(了)
出典元:RIAA:MID-YEAR 2020 RIAA REVENUE STATISTICS
出典元:engadget:Vinyl outsold CDs for the first time since the ’80s(9/11)