指紋のないバングラデシュの一家、現代では困ることだらけ
最近、イギリスのBBC放送がニュースとして取り上げたバングラデシュの一家。彼らの指先は、先祖代々、ツルツルで指紋がないという。
指紋がIDとなる現代社会で …
バングラデシュ・ラジシャヒ県の村に住むSarkerさん一家の男性には指紋がない。摩擦でなくなってしまったのなら、放っておけば元に戻るが、彼らの場合はもともと指紋がない。先祖代々からそうで、遺伝なのだそう。写真がFacebookに掲載されている。
指紋がなくても、一昔前なら特にどうということはなかっただろう。だがテクノロジーの進歩とともに、生活の様々な場面で指紋が利用されるようになった現代は事情が違う。
例えば、バングラデシュでは、運転免許証の交付を受けるのに指紋の登録が必要になる。だが、「試験に合格して規定の料金を払っても、指紋が登録できないという理由で、免許を発行してもらえない」とAmal Sarkerさんは言う。
また、携帯電話に必要なSIMカードを買うこともできないそうだ。最近になって新しい法律が出来、国の指紋データベースに登録してある人しかSIMカードを買えなくなってしまった。今、Sarker家の男性2人は、母親の携帯電話を使っているという。
これ以外にも、何かトラブルがあったときに指紋のないことが問題をさらに大きくするので、「安心して旅行にも行けない」そう。
「(指紋がないことを)人に説明するのにはもううんざりです。どうすればいいか尋ねても、誰からもいいアドバイスはもらえません。ある人は、裁判で争えばいい、と言いましたが、他にどうしようもなければそうするかもしれません」とApu Sarke(22才)さんはメディアに話す。
先天性指紋欠如疾患
まだDNA検査は行われていないが、Sarkeさん一家は「先天性指紋欠如疾患(Adermatoglyphia)」の家系だろうと考えられている。
この病気は遺伝子変異が原因で、2007年に初めての症例が見つかった。ナショナルジオグラフィックによれば、2011年時点でこの病気を持つ家系は世界に4つしかなかった。Sarkerさんの家系は、5例目ということになるだろうか。(了)
出典元:BBC News:The family with no fingerprints(12/26)
出典元:Odditycentral:The Men in This Bangladeshi Family Have No Fingerprints(12/28)