「これは戦争状態だ!」イスラエルで感染者が急増、責任者が警鐘を鳴らす
ワクチン接種が進むイスラエルで、新型コロナウイルスの感染者が急増し、感染症対策の責任者が厳しい言葉で警鐘を鳴らした。
デルタ株の蔓延が原因
イスラエルでは8月16日に新型コロナの新規陽性者が8752人、17日には7870人と、高い水準で推移しているという。実際、8752人という数字は、過去6カ月で最も多いそうだ。
また過去1週間では、新型コロナで120名以上が死亡。これは7月に記録された月間の合計数の2倍となっており、重症または危篤状態の人も600人もいるという。
この陽性者の増加は、6月の後半から確認されてきた、インド由来のデルタ株の蔓延が原因と考えられている。
「ウイルスとの戦争状態」
エルサレム・ポスト紙によれば、イスラエルの新型コロナ対策の責任者であるサルマン・ザルカ氏は8月18日、議会の委員会に出席し、次のように述べたという。
「世界をリードしてきたワクチンプログラムがあったにも関わらず、今はウイルスとの戦争状態にあります。私たちの罹患率は、日毎に増えています。9月6日に行われるイスラエルの新年のお祝い・ローシュ・ハッシャーナーまでの2週間が重要です。もし状況が改善しないならば、私たちは1回目や2回目と同様のロックダウンを行わなければならないでしょう。そうなれば私たちは、自宅から100m以上離れることができなくなります」
イスラエル政府は現在、6月中旬に解除した制限を復活させ、完全な予防接種を受けた人、または新型コロナから回復したばかりの人、過去24時間以内に陰性と判定された人を示す「グリーンパス」を復活させることで、感染拡大に対抗しようとしている。
3歳以上の子供もパスの提示が義務に
8月18日以前では、「グリーンパス」を提示しなければならなかったのは、ワクチンを接種する資格のある12歳以上の子供と大人だけだったという。しかし今後は、3歳から11歳までの子供にも、この制度が適用される。
例えば、レストランやカフェ、美術館、図書館などに入る際には、「グリーンパス」を見せなければならない。ただしお店やショッピングモールに入る時には、これらの証明の提示は必要ないという。
ワクチンを接種する資格のない12歳未満の子供たち(3歳以上)の検査は、政府が負担することになるが、まだワクチンを接種していない約100万人の住民(人口の約11%)は、自分で検査費用を負担しなければならないそうだ。(了)
出典元:BBC:Israel extends Covid restrictions to three-year-olds as cases surge(8/18)