ミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没、ロシア国防省が声明を発表
ロシア国防省が、ウクライナ南部沖の黒海で、ミサイル巡洋艦の「モスクワ(Moskva)」が沈没したと声明を発表した。
ウクライナのミサイル射程圏外へ移動か
ロシア国防省は4月14日、ミサイル巡洋艦「モスクワ」の船上で弾薬の火災が発生し、大きな損害を受けたと発表した。
一方、ウクライナ側は自軍の対艦ミサイル「ネプチューン」により、「モスクワ」に損害を与えたと主張。また「モスクワ」がすでに沈没したとの見方を示していたが、ロシア側はそれを否定していた。
その後、ロシア軍は「モスクワ」を沖合に曳航し、ウクライナのミサイル射程圏外へ移動させたとの報道がなされた。
荒れた海で安定性を失い沈没
そして今回、「モスクワ」の沈没がロシア国防省から正式に発表されたが、沈没時、同艦は曳航中だったと見られている。
ロシア国防省は声明で「巡洋艦・モスクワは、弾薬の爆発による火災の際に受けた船体の損傷により、港に曳航された際に安定性を失った。嵐のような海の状況の中で、船は沈没した」と述べている。
ロシア海軍はこのクラスの軍艦を3隻だけ保有しており、1隻に500人近い乗組員がいたという。しかし沈没時には、乗組員は退避を終えていたと考えられている。
沈没の影響は?
巡洋艦「モスクワ」の喪失は軍事的には大きな後退であり、ウクライナ東部での再攻撃のために部隊を再編成するロシア軍にとって、壊滅的な象徴的敗北となる可能性が高い。
同艦は長距離巡航ミサイル16基を搭載しており、その損失は黒海におけるロシアの戦力を大きく低下させることになるという。
ロシアによるウクライナ侵攻は8週目に入り、西側諸国から送られた武器やその他の援助によって強化されたウクライナ人戦闘員の抵抗によって停滞している。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: Russia says Moskva warship has sunk after reported missile strike – live(4/14)
出典元:METRO:Russia says flagship boat Moskva has sunk following ‘Ukraine missile strike’(4/14)