ロシア軍はウクライナ北東部での進軍に失敗、再配置を余儀なくされる:英国防省
4月30日、イギリスの国防省はウクライナでの戦況分析を発表。ロシア軍が部隊の「再配置」を余儀なくされていると明らかにした。
英国防省の戦況分析
イギリス国防省の発表によれば、ロシア軍は、ウクライナ北東部で「前進に失敗した」ことから、部隊を統合し、再配置することを余儀なくされたという。その上で次のように伝えている。
ロシアは、戦闘力を地理的に集中させ、補給線を短くし、指揮統制を単純化することによって、これまでの侵略を制約してきた問題を是正したいと考えている。
ロシアは依然としてかなりの課題に直面している。ウクライナ北東部での進攻に失敗し、消耗したバラバラの部隊を統合して再配置することを余儀なくされた。これらの部隊の多くは、士気の低下に悩まされている可能性がある。
ロシアの戦術的調整の欠点は残っている。ロシアは部分的に改善されたにもかかわらず、部隊レベルのスキルの欠如と一貫性のない航空支援により、大規模な戦闘力を十分に活用できていない。
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 30 April 2022
Find out more about the UK government’s response: https://t.co/TU1DzgHpEu
🇺🇦 #StandWithUkraine 🇺🇦 pic.twitter.com/mfMgJGMqAL
— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) April 30, 2022
ロシア・メディアは戦果を強調
ロシアの通信社・インターファクスが報じた数字によると、モスクワの砲兵部隊は、35のコントロールポイント(指揮所)、15の武器弾薬庫、ウクライナ軍と装備が集中しているいくつかの地域を含む389のターゲットを一晩で攻撃したという。
また、ロシア軍のミサイルは、ウクライナの弾薬・燃料庫4カ所を攻撃したと報じている。
一方、ウクライナ側は、ロシアの攻撃により自軍に大きな損失が出たことを認めながらも、東部ドンバス地域を完全に占領しようとするロシア軍に大きな損失を与えたと主張している。
ウクライナ大統領顧問のオレクシー・アレストビッチ氏は、「我々は深刻な損失を被っているが、ロシア側の損失はもっともっと大きい。彼らは巨大な損失を被っている」と述べた。
ハリキウでは連日砲撃にさらされる
ウクライナ第2の都市ハリキウでは、4月30日にも激しいロシア軍による砲撃が行われたが、その一方でウクライナ軍は周辺地域において、いくつかの成果を上げたという。
ウクライナ軍はいまだにハリキウを支配下に置いているが、ここはモスクワ軍によって現在も毎日攻撃にさらされている。
ハリキウの地方軍政部は、30日の砲撃と迫撃砲の攻撃で1人が死亡、5人が負傷したとテレグラムで発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「ハリキウ地方の状況は厳しい。しかし、わが軍、わが情報機関は、重要な戦術的成功を収めている」とテレビ演説で述べている。
またウクライナ軍は、ロシア軍に2カ月間占領されていたハリキウ近郊にあるルスカ・ロゾヴァ村を奪還し、数百人の市民を避難させたと発表している。(了)
出典元:The Guardian:Depleted Russian units that failed to take Kyiv are merging, says MoD(4/30)