「新たな鉄のカーテンが下ろされた」ロシア外相が発言、NATOの新たな戦略を受け
NATOはスペインでの首脳会議において、ロシアに対して新たな戦略をとることを発表した。
ラブロフ外相がベラルーシで発言
スペインの首都マドリードで行われたNATO首脳会議では、今後10年間の行動指針となる新たな「戦略概念」が採択され、ロシアを西側の安全保障への「最も重大で直接的な脅威」と位置づけた。
それまでの行動指針では、ロシアはNATOにとって「戦略的パートナー」となっており、今回の変更により、冷戦後最大の転換点を迎えることになった。
またNATOはヨーロッパ東部の防衛体制を大幅に見直し、安全保障上の危機が生じた際に出動できる「即応部隊」を、現在の4万人規模から30万人以上まで増員する方針が打ち出された。
このような動きの中で、ロシアのラブロフ外相はベラルーシを訪問し、外相会談において「新たな鉄のカーテンが下ろされている」と発言。今後、西側諸国を信用することはないだろうと述べたという。
ウクライナ南部の島から露軍が撤退
一方、ウクライナ軍は6月30日、黒海に浮かぶ戦略的に重要な島、スネーク島からロシア軍を撤退させたと発表した。
ウクライナ軍によると、ロシア軍はウクライナ軍の砲撃とミサイル攻撃の後、スピードボート2隻でスネーク島を脱出したという。
ロシアが占領していたスネーク島には以前からウクライナ軍が攻撃を加えていたが、今回なぜロシア軍が撤退したのかは明らかになっていない。
ただロシア軍側は今回の撤退について「善意のジェスチャー(goodwill gesture)」だと表現しているという。(詳しい意味は不明)
Maxar Technologies has published fresh satellite images of Snake Island
Retreating from the island, the invaders left their equipment on fire. pic.twitter.com/xKju5sHccN
— NEXTA (@nexta_tv) June 30, 2022
東部ではロシアが攻勢を強める
またウクライナ東部では、ロシア軍が攻勢を強めており、前線となっている都市、リシチャンスクは容赦のない砲撃に晒されているという。
ウクライナ当局は、リシチャンスクには約1万5000人の住民が残っていると見ており、現在彼らを避難させようとしている。
ウクライナのメディア「Kyiv Independent」紙によれば、このような情勢を受けてか、フランスのマクロン大統領は、ウクライナに6台の「CAESAR」榴弾砲と装甲車を納入すると発表したという。
またマクロン大統領は、マドリードでの会議において、NATO同盟国がウクライナへの人道的・軍事的支援を強化することを「全会一致で決定」したと述べたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: new ‘iron curtain’ between Russia and west, Kremlin says, as Nato leaders pledge support to Kyiv – live(6/30)