ミシシッピ州の土壌から危険な細菌を発見、米保健当局が注意喚起
アメリカ・ミシシッピ州で危険な細菌が確認されたとして、保健当局が人々に警戒を呼び掛けている。
基礎疾患がある人に注意喚起
アメリカの保健当局によると、ミシシッピ州のメキシコ湾岸地域の土壌と水のサンプルから、危険な種類の細菌が発見されたという。
この細菌は「Burkholderia pseudomallei」と呼ばれ、感染すると一部の人が「メリオイドーシス症」という病気にかかり、重篤な状態になる可能性があるそうだ。
もっとも健康な人が接触しても、ほとんどはこの病気にかかることはなく、抗生物質で治療することができる。
ただ糖尿病や慢性腎臓病などの基礎疾患を持つ人が感染すると、「メリオイドーシス症」が発症する可能性があるという。このためアメリカ疾病対策予防センター(CDC)は、リスクが高い住民に予防措置をとるよう勧告している。
CDC finds rare bacterium behind melioidosis in US soil, water
Environmental sampling indicates Burkholderia pseudomallei is endemic in the Gulf Coast region.https://t.co/Ml4sD9rrVc pic.twitter.com/sbUYwMB4x9
— CIDRAP (@CIDRAP) July 28, 2022
輸入された物品から感染することも
アメリカでは「メリオイドーシス症」の症例が非常に少なく、この細菌がいつから環境中に存在するのか、また、アメリカ国内の他のどこで発見される可能性があるのかも不明のままだ。
この細菌は、南アジアや東南アジア、オーストラリア北部などで自然に発生すると考えられ、症例が確認されるのも、その地域に住んでいる人、あるいはそこへ旅行したことのある人がほとんどだという。
ただ「メリオイドーシス症」の場合、疾患流行国から輸入された物品によって感染し、発症したケースもある。
2021年にはアメリカの4つの州で4人の患者が確認されたが、発症には輸入されたアロマテラピースプレーが関連していたそうだ。
患者発見がきっかけで調査を実施
実は、今回のミシシッピ州での土壌調査は最近、同地域に住む2人の患者が「メリオイドーシス症」を発症したことが分かり、それがきっかけになったという。
保健当局は、両患者の自宅とその周辺の土壌と水のサンプルを検査。その結果、3つのサンプルで陽性反応が出たことから、この細菌は少なくとも2020年以降、この地域に存在していたことが示唆されたそうだ。
「メリオイドーシス症」は人から人への感染が極めて稀とされるが、発症すると発熱、関節痛、頭痛などの症状のほか、肺の障害や血液感染などを引き起こす可能性があると言われている。(了)
出典元:BBC:Dangerous bacterium found in Mississippi soil(7/28)