ロシアのスパイか?ノルウェーの保安局がブラジル人の学者を逮捕
ノルウェーの保安局は先日、ロシアのためにスパイ活動を行っていた容疑で、ブラジル人の学者と思われる人物を逮捕した。
トロムソ大学で自費研究をしていた男
その人物とは、ジョゼ・アシス・ジャンマリア容疑者(偽名の可能性あり)だ。
ジャンマリア容疑者は2021年12月から、北極圏の安全保障を研究するため、ノルウェーのトロムソ大学に滞在していたという。
ただ同容疑者は、トロムソ大学で正式に雇用されたわけではなく、「自費」の研究に取り組みながら、講義やセミナーの開催を手伝っていたそうだ。
しかしノルウェーの警察保安局(PST)は、ジャンマリア容疑者がロシアの情報機関のために働き、偽名を使い、偽の身分でノルウェーに滞在していたとして、10月24日に拘束した。
情報がロシアに悪用されることを懸念
ジャンマリア容疑者は、2018年にカナダ・カルガリー大学の軍事・安全保障・戦略研究センターを卒業。
昨年にはカナダの教授の推薦を受けて、ノルウェーのトロムソ大学に赴き、研究を続けてきたという。
トロムソ大学で安全保障研究に携わる教授は、ジャンマリア容疑者が大学の機密情報にアクセスしていなかったと述べているが、保安局は同容疑者が、北極圏におけるノルウェーの政策についてのネットワークと情報を得た可能性があると考えているそうだ。
もっともそれらの情報はノルウェーに脅威を与えるものではないようだが、保安局は情報がロシアによって悪用されることを懸念している。
ノルウェー当局は先週、極北の制限区域で、違法にドローンを飛ばしたり写真を撮ったりした疑いのある7人目のロシア人を逮捕したと発表している。(了)
出典元:The Guardian:Norway arrests ‘Brazilian researcher’ accused of spying for Russia(10/25)