NASAが開発中の蛇のような自律型ロボット、生命の痕跡を探る
現在、NASAのジェット推進研究所では、ヘビのようなロボットを開発しているという。
宇宙生命の痕跡を探す
そのロボットの名前は「EELS」。これは宇宙生物生命探査(Exobiology Extant Life Surveyor)の略とされている。
「EELS」はベビのような形をした自律型ロボットで、通常の探査機とは異なり、胴体に「回転推進ユニット」を使用し、クレバスを這ったり、水の中を泳いだりして、多様な地形を探査することができるという。
またこのロボットは、最終的には宇宙における生命の痕跡を探すために考案されたそうだ。
そして先日、カナダにあるアサバスカ氷河とミーガー山の火山で、「EELS」のテストが行われた。下は昨年公開されたテスト映像。
さまざまな地形に適応できる
「EELS」は当初、土星の小さな氷の衛星「エンケラドゥス」にある通気孔をターゲットにしていたという。
NASAの探査機「カッシーニ」のデータからは、「エンケラドゥス」には氷の地殻の下に液体の海があることが判明しており、表面にプルームが噴出する通気孔は、液体の海への入口になっているそうだ。
つまり「EELS」は通気孔から、地下の海を目指すよう設計されたが、この適応性により、現在では他の惑星探査、例えば火星の極冠や地球上の氷床のクレバス探査などにも利用できると考えられている。
つまり様々な地形に対応することで、「EELS」はこれまで到達できなかった領域をより深く探査できるようになるという。
プロジェクト・マネージャーのマシュー・ロビンソン博士も、「月の溶岩トンネル、宇宙飛行士にとって危険なクレーターに入って探索することも、可能になるでしょう」と語っている。
さらに生命の痕跡を探す以外にも、内部地形構造の探査、居住性の評価も行う予定だという。
現在の取り組みとしては、地球科学者と協力して地上での科学調査を行い、惑星の類似環境で「EELS」の能力を実証するテストも行っているそうだ。(了)
出典元:METRO:This ‘robot snake’ could probe Saturn’s moon in search for alien life(4/14)
出典元:NASA JPL:Exobiology Extant Life Surveyor (EELS)