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日本だけじゃない!豪でもトイレットペーパーに人々が殺到、その理由とは?

日本だけじゃない!豪でもトイレットペーパーに人々が殺到、その理由とは?
Twitter/Maree Ma

あるデマのツイートにより、引き起こされた日本でのトイレットペーパー不足。実はオーストラリアなどでも、多くの人が購入して、品薄の状態が続いているのをご存知だろうか?

 

このような現象が起きる理由について、イギリス公共放送局のBBCが興味深い記事を書いている。それを簡単にまとめてご紹介する。

 

オーストラリアでの現状とは?

 

実はオーストラリアのシドニーでは最近、スーパーの棚にあったトイレットペーパーが数分で売り切れる事態になったという。

 

無論、オーストラリアもトイレットペーパーを自国で製造しており、また政府もそれらが不足していないと呼びかけたそうだ。

 

しかしそれでも多くの人が買い求めたため、あるチェーン店は1人4パックまでと購入制限を実施。またパニックになった購入者がトイレットペーパーを巡って争い、ナイフを持ち出したため、警察が出動する事態にもなったという。

 

感染者41名、世界的にも少ないのに…

 

無論、このことはオーストラリアだけでなく、日本はもちろん香港やシンガポール、イギリスでも起きている。

 

オーストラリアでは先週末、西オーストラリア州の街、パースで78歳の男性が新型コロナウイルスで死亡。シドニーでも95歳の高齢者が死亡し、3月4日には検査で新型ウイルスの陽性反応が出たという。

 

またオーストラリア政府は3月4日に感染者が41名になったと発表。この数は世界的に見ても少ない方だったが、保健省はガイダンスにおいて、人々に手を洗うなどの衛生対策を行うことや、必要だと思えば2週間分の食料や水、日用品などを購入しておくよう勧めたそうだ。

 

その後、トイレットペーパーの需要が急増。賞味期限が長い食料や、腐りにくい商品も多く購入されることに。

 

専門家によるさまざまな意見

 

その後、スーパーの「Coles and Woolworths」はトイレットペーパーの在庫は十分あると発表。需要を満たすために工場も24時間稼働していると報告した。また政府も、新型コロナウイルスを抑えるためにあらゆる手段をとっており、地方での感染も比較的限定的だと訴えたという。

 

しかしそれでもトイレットペーパーは購入され続けたという。

 

ある人物はこの現象を「最も間抜けな危機」と呼び、消費心理の専門家も「明らかに非合理的」で、ソーシャルメディアやニュース報道によって焚きつけられた、明らかな群集心理だと指摘した。

 

一方、ニューサウスウェールズ大学のNitika Garg助教授は、この現象を「FOMO症候群(Fear Of Missing Out:取り残されることへの不安や恐怖)」だと指摘。その上で次のように述べている。

 

「彼らは人がこの商品を買っているか、どうか考えます。隣人が買っているのかどうか。そこには理由があるはずです。だから彼らもそれを手に入れる必要がある、となるのです」

 

またGarg助教授は、買い占めが「恐怖」によって引き起こされていると主張し、つぎのようにも述べている。

 

「この状況は前例のないものです。(略)コロナウイルスのことになると、人々は事態がどのように好転するのか、またどの程度まで悪化するのかさえ、わからないのです。彼らは備えておきたいと思っています。なぜならそれは彼らが自分でコントロールできると感じられる行為の1つだからなのです」

 

一方、シドニー大学のRohan Mille博士は、現代人が物質の不足に慣れていないと指摘。いつでも欲しいものを手に入れられ、選ぶことに慣れているため、人々はこの状態を維持しようと群集心理が働き、トイレットペーパーに殺到するとの見方を示している。(了)

 

※本記事では全て訳しきれていない点があるのをご了承いただきたい。

 

出典元:BBC:Coronavirus panic: Why are people stockpiling toilet paper?(3/4)

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