約2億4700万年前に生息していた両生類の新種、オーストラリアで確認
以前、オーストラリアで発見された両生類の化石が、新種であることが科学者によって確認された。
約30年前に発見された化石
その化石は、今から約30年前、1990年代にニュー・サウス・ウェールズ州で、元養鶏家のミハイル・ミハイルディスさんによって発見されたという。
その後、ミハイルディスさんはシドニーのオーストラリア博物館にこの発見を連絡し、1997年に化石を引き渡したそうだ。
以来、研究が続けられ、今回約2億4700万年前にオーストラリアに生息していた、両生類の新種であることが確認された。
研究者が子供の頃に見た化石
トカゲに似たこの種の化石は、世界的に見ても10種類以下しか確認されていない。
また専門家によれば、この発見は「オーストラリアにおける両生類の進化を塗り替える」可能性があるという。
この化石を解明した古生物学者、ラクラン・ハート氏は、子供の頃に初めてこの化石に出会ったとし、次のように述べている。
「私は恐竜に夢中でした。そして12歳の私は、1997年に展示されていたその化石を見たのです。それから25年後、その化石は私の博士号(をとるための研究)の一部となりました」
驚くことにその化石には、ほぼ完全な骨格が含まれ、頭や胴、さらに体の外側の皮膚と脂肪組織の痕跡も残っていたという。
それらの研究データから、ハート氏と彼の同僚は、この両生類が体長約1.5mで、サンショウウオ型の体をしていたと推定。この両生類を、「Arenaepeton supinatus」と名付けたそうだ。
淡水湖や小川に生息
研究者たちによると、この肉食の両生類は、かつてシドニーの淡水湖や小川に生息していたという。
またこの種はテムノスポンディリ(Temnospondyli)科に属し、この科の生物は地球上で起きた5回の大量絶滅のうち2回(6600万年前の大量絶滅を含む)を生き延びた、生命力の強い両生類とされている。
またオーストラリアでテムノスポンディリ科の化石が確認されたのは、他に3種しかないそうだ。
今回の研究結果は8月8日に発表され、ハート氏は「オーストラリアが、大量絶滅後に動物が進化し、避難場所を見つけるのに最適な場所だったことを示している」と述べている。(了)
出典元:BBC:Ancient lizard-like species discovered in Australia(8/9)