カンヌ映画祭の歴史で初めてケニアの作品がエントリー、本国では上映禁止に


先日、カンヌ映画祭で是枝監督の作品『万引き家族』がパルムドールを受賞したが、実は他にも注目された映画があるのをご存知だろうか。

 

レズビアンを扱った内容のため国内で上映禁止

 

その映画とは『Rafiki』。これはカンヌ映画祭の71年の歴史の中で、初めてケニアからエントリーされた作品だという。

 

『Rafiki』というのは、スワヒリ語で「友達」という意味。そしてこの映画は、ナイロビに暮らす2人の女性が、家族や政治的なプレッシャーと戦いながらも、お互いに愛を深めていく物語とされている。

 

しかしケニアのフィルム審議委員会は、この映画がレズビアンを扱った内容だったため、先週の木曜日に国内では上映禁止にすると発表。

 

ケニアで初めてカンヌに出品されるという偉業を成し遂げたにもかかわらず、「この映画は配給されるべきではなく、国のどんな場所でも見ることはできず、映像をコピーした人間も法律違反で罰せられる可能性がある」と付け加えた。

 

これに対し映画関係者は落胆し、また映画を支援する人々はネット上で委員会側を強く非難しているそうだ。

 

監督がツイッターで意見を表明

 

ケニアのフィルム審議委員会は、上映禁止の理由について「その映画は同性愛をテーマとし、法律に反し、ケニアでレズビアンを促す明らかな意図を持っているため、規制されることになりました」と語っている。

 

一方、この映画を作り上げたWanuri Kahiu監督は、ツイッターで落胆を表明。さらに次のように述べている。

 

「私はケニアの大人たちが成熟し、この地元の作品を見るのに十分な分別を持っていると信じています。しかし彼らの権利は否定されてしまった」

 

LGBTに対して否定的な意見が多い

 

実はケニアは非常に保守的な国で、LGBTに関しても多くの人が否定的な意見を持っているという。

 

また法律もLGBTの人々に厳しく、同性愛的な行為を行ったことが明らかになった者は、禁固14年に処される可能性もあるそうだ。

 

しかしソーシャル・メディアでは、多くの人々が上映禁止に反応。特に映画を支持している人々は、フィルム審議委員会を痛烈に批判しているとか。

 

実際、ツイッターユーザーのBrian Kelwonさんは、「子供のために、これ(上映禁止)をするという理由は、人々から権利を奪ってきたこれまでの歴史の中で、ずっと使われてきた。一体、表現の自由に何が起きたんだ?」と投稿している。

 

その一方で上映禁止を擁護する人々もおり、彼らは「フィルム審議委員会が、この国の文化と伝統的な価値観を維持するために、正しいことをした」と語っているそうだ。(了)

 

 

出典元:Aljazeera:Kenya’s first Cannes-nominated film banned at home(5/20)

出典元:CNN:Rafiki: Kenya bans lesbian film ahead of Cannes debut(4/27)