早朝、店先に並んでいた女性にマスクを譲った男性に称賛の声、介護施設もマスク不足
日本でマスク不足が続く中、心温まるエピソードがツイッターで話題となっている。
前日に売り切れ、翌朝5時30分に店に並ぶ
埼玉新聞によれば、3月1日の早朝5時30分頃に、埼玉県ふじみ野市の女性会社員(42)がマスクを買い求め、ドラッグストアの店の前で並んで待っていたという。
その女性は10年前から花粉症に悩まされており、すでに常備していたマスクがなくなり、前日も午前6時30分にドラッグストアの前に並んだが、すでに多くの人が待っていたそうだ。
しかも店が開店してから、自分の前でマスクは売り切れ。このため店から「明日マスクは入荷するかわからない」と告げられるも、翌日には1時間早く店の前に来て、1人で並んでいたという。
男性が未使用のマスクを手渡し、立ち去る
その時、散歩中の40から50歳くらいの男性から「イベントでもあるのですか?」と尋ねられたため、女性は事情を説明。
すると男性はそれから40分後に再び戻ってきて「少ないですけど使ってください」とビニール袋を手渡して立ち去った。中には未使用のマスク6枚が入っていたという。
その後、取材に応じた女性は「市内にこんな素晴らしい人がいることは誇りです。できれば『あの時の温かい気持ちに救われました。心から感謝しております』と伝えたい」と述べた。
ツイッターでの反応とは?
このエピソードがYahoo Newsに取り上げられ、ツイッターでも話題になると、次のようなコメントが寄せられた。
「今はみんな困ってるから こんな善意は素晴らしい その方に幸あれ」
「わ、いい話し。みんなで助け合わなきゃ」
「私も妊婦の親族にマスク譲った。妊婦さんは怖い思いしてると思う。」
「6枚譲れるのはすごい」
「困った時こそ、助け合い。 そういう気持ちを忘れかけたところにこういう話があるのはステキなことだし、思い出させてくれるいいお話ですよね。」
「優しい方ですなぁ…….」
「それと比べて転売屋の浅ましさよ。」
「ジーン…いい話だ」
「なんて良い話。 泣けた。 今みたいな非常事態だからこそ思いやりって大事だなあと思えた」
その一方、人の善意を疑う残念なコメントも見受けられた。
介護施設もマスク不足が深刻
また当サイトの知人の訪問介護職員によれば、介護事業所でもマスク不足が深刻で、1枚のマスクを消毒して使いまわしている状態だという。
職員は健康な人が多いので発症や重病化の心配はしていないが、利用者は不安。つまりマスクは感染予防というよりも、「利用者を安心させるツール」になっているからだ。
周囲の人、特に介護経験者の人はそんな介護事業所の現状を心配しており、ひどい花粉症の人がやっと買えた箱マスクから数枚を譲ってくれようとしたこともあったとか。その訪問介護職員は「丁重にお断りしたけど、ありがたかった」と述べている。
また「メディアでは医療や教育現場のマスク不足がよく言われるけれど、重症リスクが高い高齢者と接する機会の多い介護現場のマスク不足はあまり語られないような気がする」とも語っている。(了)
出典元:埼玉新聞:<新型肺炎>早朝ドラッグストアに並ぶ女性に…男性が無償でマスク譲り立ち去る「温かい気持ちに救われた」(3/4)