30年間も記憶喪失となっていた中国人男性、新型コロナ報道のおかげで家族と再会へ
新型コロナウイルスに関連する暗いニュースばかりが話題になる昨今。
そんな中、記憶喪失となっていた中国人男性が、新型コロナウイルスのお陰で記憶を取り戻したという、明るいニュースが飛び込んできた。
見知らぬ地で事故に遭い、記憶を失う
新型コロナウイルスがきっかけとなり記憶を取り戻したのは、中国人男性のZhu Jiamingさん(57)。
Zhuさんの記憶が失われてしまったのは、今から30年ほど前に遡る。
当時27歳だったZhuさんは、中国南西部に位置する貴州省赤水市の生まれ故郷から、1300キロ以上も離れた福建省へと仕事を見つけるため移住。
ところが同年、思いがけぬ悲劇が彼を襲うこととなる。
建設現場で勤務していた際、事故にまきこまれ脳に損傷を負い、記憶の大部分を失ってしまったのだ。
追い討ちを掛けるように、Zhuさんは身分証明書をも紛失。
自らの名前も出身地もわからぬ彼は、そのままホームレスへと成り果ててしまった。
新天地で少しずつ戻ってきた記憶
しかしその後、Zhuさんは職場で出会った夫妻から招かれ、彼らの自宅で共に生活を送るように。
さらに2015年には、夫妻と共に彼らの出身地である中国東部の浙江省雲和県へと移り住むこととなったが、そこはZhuさんの故郷からは1500キロ近くも離れていた。
それでも記憶を失っていたZhuさんは、そこでの生活に満足していたようだ。
彼らとの生活についてZhuさんは、「彼らは私にとって家族のようであり、心を温めてくれたんです」と語っている。
また新しい街での生活を開始して以来、失われた記憶も少しずつ戻ってきたという。
「自分の故郷がどこか、探そうとしていました」というZhuさん。
「でもあまり思い出すことが出来なかったんです」
コロナウイルスのお陰で戻った記憶
そんな中、Zhuさんにとって決定的となる出来事が起こる。
新型コロナウイルスの感染拡大に従い自宅待機を余儀なくされたZhuさんは、テレビのニュースを見ていた。
するとそこに彼の生まれ故郷、貴州省の光景が映し出されたのだ。
それを見ていたZhuさんは、突如として貴州省が自らの故郷であることを思い出したという。
さらにZhuさんは地元警察へと足を運び、彼らの助けを得て家族を探し出すことに成功。
父親は18年前に亡くなっていた一方、母親と4人の兄弟姉妹らは存命であることが判明したという。
「あなたにはもう二度と会えないと思っていた」
83歳の母親は、Zhuさんとの初めてのテレビ電話で涙ながらにこう語ったという。
Zhuさんとその家族は、近く再会する予定だそうだ。
新型コロナウイルス関連の暗いニュースばかりが伝えられる中、そのお陰で記憶を取り戻すことに成功したZhuさん。
混乱が収束し、彼らが一刻も早く再会を果たすことが出来ることを願うばかりだ。(了)
出典:Daily Mail:Migrant worker, 57, who suffered from amnesia for 30 years following a work accident suddenly remembers where he is from while watching coronavirus reports about his hometown(3/11)
出典:China Plus:Man recalls memories after 30 years of amnesia, finds Family(3/11)
出典:Mysterious Universe:Coronavirus Helps Man Recover From 30-Year Amnesia(3/17)