メニューの説明書きが正直過ぎて話題の、カナダの中国料理店

Twitter/Kim Belair

どんな料理店も、提供する料理は、実際以上に良く見せたいはずだ。「美味」「最高」「絶対おすすめ」といった過剰な宣伝文句がメニューに並ぶのも、普通といっていいだろう。そして、食べてガッカリすることもよくある。

だが、カナダにあるこの中国料理店は違う。自画自賛することの全くない、あまりに誠実なメニューが海外SNSで話題になっている。

「これはそれほど美味しくない」!?

カナダ・モントリオール市にあるその店、「Aunt Dai」は、北アメリカ風にアレンジされた中国料理を出す店だ。メニューの1品ごとに、中国出身のオーナー・Feigang Feiさんによる正直な説明書きがついている。

今月11日、店のファンであるKim Blairさんが、それをツイッターに投稿した。投稿文にこうある。

Aunt Daiはモントリオールにある私の好きな中国料理店。でも、この店で本当に嬉しいのはメニュー。オーナーのとても誠実なコメントが載っている。

「誠実なコメント」とはどんなものか？　Blairさんが投稿した写真と、その日本語訳をいくつかご紹介しよう。

オーナーの言葉：中国本土の左宗棠鶏（General Tao Chicken)と比べると、これはそれほど美味しくない。まあ、私は北アメリカ風の中国料理の大ファンではないし、（美味しいかどうかを）決めるのはあなただ。

材料：豚肉、キクラゲ、タケノコ、ピーマン、トウガラシ

オーナーの言葉：インターネットの調査では、中国で最も多くの人がこの料理を店で注文している。全くその通りだと思う。私が中国にいた時、レストランに行くと大抵これを注文した。人気の料理で、中国には多くのバージョンがある。私はこの料理に高い期待を持っているので、正直な話、私の店で出すバージョンが大好きとは言えない。だが誤解しないでほしい。うちのだってとても美味しい。ただ、私が大学時代にいた街で食べたものとは違うというだけだ。

オーナーの言葉：これは新登場のメニュー、私はまだ食べていない。とても人気がある、と多くのお客さんが言っているが、まだ食べる機会がない。自分の店で食べる時間をもっとつくらなければいけないようだ。

オーナーのコメント：カレー味、すごく美味しいとは期待しないように。けれど無難な選択で、ハッピーになれる。

オーナーのコメント：この料理も有名なもの。私は店で出している味に100%満足してはいないが、すぐにもっと良くなるだろう。

P.S.　お客の中に、まだこの料理を注文する人がいることに驚く。私としては、これより「四川風ペッパーチキンサラダ」の方が良いと思う。

投稿が拡散され、メディアも注目

Blairさんの投稿がきっかけで、この店はメディアの注目を集めるようになった。オーナーのFeiさんによれば、ドイツの新聞「Süddeutsche Zeitung」、中国の「CBC放送」、カナダの「Global News TV」、イギリスの「The Guardian」、アメリカの「Today」などから取材を受けたそうだ。

Blairさんに感謝して、Feiさんはこんなツイートをしている。

Hey、私はAuntDai料理店のオーナーです。あなたのツイートにありがとう。たくさんのメディアからインタビューを受けました。私の人生の中で、特に素晴らしい数日間でした。感謝を伝えるために、ツイッターに新規登録しました。もしよければお話ししませんか。あなたは、私がツイッターでフォローする最初の人です!!!