シトロエンが、ボディに厚紙を使った究極のエコカーを発表
フランスの大手自動車メーカー「シトロエン」が、大胆な発想でエコに徹したコンセプトカーを発表した。「Oli」という名のその電気自動車は、ルーフやボンネットが特殊な厚紙で出来ている。
厚紙で軽量化
その厚紙は、ドイツの大手総合化学メーカー「BASF」とシトロエンが共同開発したもの。ハチの巣のような空洞のある3次元構造(ハニカム構造)の紙の板に、プラスチックをコーティングして強化してある。
海外メディアによると、旧ソ連時代の東ドイツで、厚紙を使った車がすでに作られていたそうだ。2ストロークエンジンで走る小型車で、名前は「トラバント(Trabant)」。厳密には紙ではなく、リサイクルした綿の繊維や紙パルプ、羊毛などをプラスチック樹脂で固め、強化したものを使っていたという(Wikipedia)。ただ、強化したと言っても、大雨でずぶ濡れになると、拳で強く殴っただけで凹んだらしい。
今回発表されたシトロエン「Oli」は、当時のアイディアを、現代のハイテク技術で、実用的に蘇らせたものと言えそうだ。
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— Julien Rosburger (@julienrosburger) September 29, 2022
エコに徹した仕様
「Oli」の総重量は1000 kgを切る。速度は最高で時速100kmほどしか出ない。ドアパネルはたった8つの部品から作られ(普通の車は35の部品)、素材を節約している。
フロントガラスは、まるでトラックのように垂直だ。こうすると、ガラスを通して車内に入る日光の量が減り、エアコンを節約できるそう。また、ガラスの面積が小さくて済むので、車体の軽量化にも貢献する。
現代の車はコンピューターが搭載され、そこからダッシュボードにさまざまな情報が表示されるようになっているが、「Oli」はそのコンピューターを、スマートフォンで代用している。プロモーションビデオを見ると、ダッシュボードのスロットにスマホを差し込んで運転しているのが分かる。
また、あらゆる部分の構造がシンプルなので、修理がしやすい。なので、少なくとも50年は乗り続けることができるとのこと。
ほとんど使わないような機能を排除し、「日々の暮らしに本当必要なものだけ」を残したのがこのOliなのだ、とシトロエンの担当者は言っている。(了)
出典元:Forbes:Citroen Oli Concept EV Radically Rethinks Family SUVs – With Cardboard(9/30)
出典元:Metro:Citroën built a car with cardboard ready for our dystopian future(9/30)