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ISの新たな拠点はアフガンか?カブールの自爆攻撃で57人が死亡

ISの新たな拠点はアフガンか?カブールの自爆攻撃で57人が死亡
Twitter/Ehsanullah Amiri‏

4月22日、アフガニスタンでISISの戦闘員が自爆攻撃を行い、有権者登録をしていた多くの人々が殺害された。

 

自爆テロで女性や子供など57人が死亡

 

この事件が起きたのは、首都のカブール。アフガニスタンでは10月に議会選挙が予定されており、その日は有権者登録をするために多くの人々が集まっていたという。

 

しかし午前10時頃、ISISの戦闘員が有権者登録所への入り口の門付近で、身につけていた爆薬を爆発させ、女性や子供を含む57人が死亡、負傷者は119人に上った。

 

ISISやタリバンは民主的な選挙を否定しており、この犯行についてはISISのプロパガンダ部門のAamaq(アマック)通信が声明を発表。この地区に住んでいるシーア派の背教者を狙ったと動機を明らかにしている。

 

ISIS戦闘員へ集まるよう呼びかけ

 

アフガニスタンでは最近、ISISが勢力を伸ばしており、活動資金を得るため石油やガス田、ウランなどの豊富な天然資源に狙いをつけた外国人戦闘員が大量に流れ込んでいると、NHKも伝えている。

 

実際にアフガニスタンでは今、1000人から4000人のISIS戦闘員が活動しているとし、ダルザブという地区ではタリバンと勢力争いを続けていたが、その後ISIS側が急速に勢力を強め、タリバンを駆逐。地区のほとんどを支配するようになったそうだ。

 

またNHKはISISからの迫害を逃れてきた村人にも取材。その村人の話によれば、ISISの戦闘員らは自分たちに歯向かうものを容赦なく殺していたという。

 

ISISに村を占領され、逃げ延びた村人たちは現在、住む場所もなく、食料も少ない状態に置かれ、アフガニスタン政府がしっかりと取り締まることを求めているそうだ。

 

AFPは、アフガニスタンで活動する過激派組織「イスラム国ホラサン(Islamic State Khorasan)」が動画を公開したと報道。映像の中で戦闘員が「世界中のイスラム教徒よ、イラクやシリアに入国できないのなら、ホラサンに来るといい」と述べ、アフガニスタンへの入国を呼び掛けていたという。

 

先週から激しい戦闘も続く

 

米メディアのABCも、今回の自爆テロ以外にISISやタリバンがアフガニスタンの治安部隊を標的に、攻撃を繰り返していると伝えている。

 

実際にタリバンは日常的に治安部隊や政府職員をターゲットにし、道の脇に爆弾を設置。それを爆発させるなどして、市民が巻き込まれるケースもあるという。

 

先週には2つの州にある有権者登録所をガードしていた3人の警察官が、戦闘員らに撃たれ死亡。先週の土曜日には、北部のBalkh州で治安部隊とタリバンとの間で激しい銃撃戦が行われたという。

 

その戦闘では十数人のタリバン兵が殺されたが、地元警察の所長であるHalim Khanjar氏も撃たれ、その傷が原因で死亡。いまだに戦闘も続いているそうだ。

 

このためABCはアフガニスタンの治安当局は、ISISとタリバンによる攻撃を防ぐのに苦慮していると伝えている。

 

ISISが再びアフガニスタンで勢力を伸ばしているのは驚きだが、今回の自爆テロはそれを裏付けるものと言えるかもしれない。(了)

 

 

出典元:ABC News:Islamic State suicide bomber kills 57 in Afghan capital(4/22)

出典元:NHK:IS アフガニスタンに新拠点(3/14)

出典元:Aljazeera:Afghanistan: 63 dead in attacks on voter registration centres(4/22)

出典元:AFP:IS、イスラム教徒に「アフガン入国」呼び掛け 活動地域拡大を狙う(3/8)

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