大切な自転車を盗まれた女性、ネットの協力を得て巧みに泥棒から盗み返す
イギリスで自転車を盗まれた女性が、巧みな方法で泥棒から取り戻したとして話題となっている。
ネットで助けを求めると発見情報が
その女性とはJenni Morton-Humphreysさん(30)。彼女は7月9日に、大切にしていたドイツ製の高級な自転車のチェーンを切られ、シティセンターで盗まれてしまう。
そしてソーシャルメディア・サイトの「Bristol Cycling page」に、自転車を盗まれたことを訴え、写真を掲載して助けを求めたそうだ。
すると目ざとい人が、盗まれてから数時間後にそれらしい自転車をフェイスブックで販売する投稿を見つけたという。
しかもそのアカウントの持ち主の男は、実際に自転車に触れて確認できる機会を提供すると、申し出ていたとか。
そのことを教えられたMorton-Humphreysさんは、興味を持っているふりをして、犯人と実際に会うことを決心する。
警察から危険だと反対されるも犯人と会う
しかし警察は、この計画が逆に彼女を危険な状況にさらすことになるとして反対。しかも犯人と会う際も、同伴はできないと告げたそうだ。
ただ大切な自転車を誰かが購入してしまっては元も子もない。そのためMorton-Humphreysさんは、とにかく犯人に会うことを決め、先週の月曜日に待ち合わせ場所へ向かったという。
そこで彼女はまず、自転車が盗まれた自分のものだと確認。そして興味を持っている買い手を装い、自転車について詳しくないことを見せるためか、ありきたりな質問を繰り返したとか。
さらに「このサドルは高くないかしら。テストするために乗ってもいいかしら」と犯人に尋ねたそうだ。
タバコと鍵だけを犯人に預け自転車に
実はMorton-Humphreysさんは犯人と会うに際し、あらかじめ手に持てる物以外、一切身につけないようにしていたそうだ。そして自転車の試乗を許された時も、泥棒を安心させるため、手にしていたタバコの箱と鍵を預けたとされている。
彼女は取材に対し次のように語っている。
「それは男が最初に自転車を手放した瞬間でした。私は自転車の上でわずかによろめきました。そして数ヤード離れた時に、イチかバチかの賭けに出たのです。私はできるだけ早くペダルをこぎました」
犯人の男の手にはタバコと鍵が残されたが、タバコの箱は空で、鍵も実は盗まれた時に壊されたチェーンのものだったという。
怒った犯人の男はその後、近くに潜んでいた彼女の協力者に直面。彼に向って「俺には生活するために95ポンド必要なんだ」と訴えたとか。
しかし協力者の男性は泥棒に「彼女はおそらく、自転車でまっすぐ家まで向かっている。でも驚くことはないだろう?何故ならそれは彼女が昨日盗まれた自転車なんだから」と答えたそうだ。
やがてMorton-Humphreysさんは無事に自転車を家に持って帰ることに成功する。
しかも家に到着するとさらにうれしい出来事が。なんと自転車はすっかり身なりを整えており、以前から壊れていたライトが、犯人によって修理されていたという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Cyclist ‘steals back’ her stolen bike from thief who was selling it online in cunning sting operation(7/17)