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エクアドルのテレビ局を武装集団が占拠、生放送中にキャスターらを脅す

エクアドルのテレビ局を武装集団が占拠、生放送中にキャスターらを脅す
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エクアドルのテレビ局を武装した男たちが襲撃し、その様子が放送された。

 

スタジオではニュースを放送していた

 

1月9日の午後2時ごろ、エクアドル最大の都市、グアヤキルにある「TCテレビ」の本社に、覆面をかぶった武装集団が侵入。スタジオを襲撃した。

 

当時、スタジオではニュースを生放送で伝えており、武装集団の男たちはピストルや散弾銃、機関銃、手榴弾、ダイナマイトを持ち、キャスターやスタッフらを脅したという。

 

テレビの映像にも、テレビ局員らが「撃たないで!」と叫び、またはカメラの前に連れてこられ、銃などを突き付けられる様子が映っていた。

 

警察の特殊部隊が突入、全員逮捕

 

武装集団が建物内で暴れまわる中、記者やカメラマンはパニックに陥り、メッセージアプリなどに「彼らは私たちの多くを殺そうとしている。 私たちを助けてください」と書き込んだという。

 

また「TCテレビ」のニュース部長であるアリーナ・マンリケ氏は、スタジオの向かいにある制御室で、 男の1人から頭に銃を突き付けられ、床に座るよう命じられたそうだ。

 

この事態を受け、エクアドルの大統領は「国内武力紛争」状態を宣言。警察の特殊部隊がテレビ局に突入し、武装集団13人全員を逮捕した。

 

麻薬組織のボスが脱獄、非常事態宣言

 

しかし、エクアドルでは他の場所でも混乱が起きていた模様で、グアヤキルの大学に武装集団が侵入したり、首都のQuitoにあるダウンタウンで略奪が起きたりしたとの、未確認情報もあるという。

 

また刑務所でも受刑者が反乱を起こし、刑務官をリンチしている動画がSNSに流れたそうだ。

 

暴力犯罪を取り締まる公約を掲げて昨年10月に当選したエクアドルのダニエル・ノボア大統領は、この事件の後、20の麻薬密売組織をテロ集団に指定。さらに、国際人道法の範囲内で犯罪組織を「無力化」する権限を、エクアドル軍に与える大統領令を出した。

 

エクアドルの刑務所では先日、麻薬組織「ロス・チョネロス」のリーダーで、有罪判決を受けたアドルフォ・マシアス(別名:フィト)受刑者が脱獄。それを受けてノボア大統領は、1月8日に非常事態宣言を出していた。

 

そして今回のテレビ局が占拠される事件は、その翌日に起きており、また非常事態が宣言された直後も、南部マチャラ市で警察官3人が誘拐され、首都キトでも4人目の警察官が犯人に連れていかれたという。(了)

 

出典元:The Guardian:Armed gang storms Ecuador TV station as state of ‘internal armed conflict’ declared(1/9)

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