1600機以上の旅客機がGPSの妨害を受ける、ロシアが関与した可能性
東ヨーロッパ上空を飛行していた数多くの旅客機が、GPS(全地球測位システム)の妨害を受けていたことが明らかにされた。
2日間弱で1600機以上に影響
OSINT(オープン・ソース・インテリジェンス)がSNSの「X」に投稿した地図には、航空機機器の妨害行為が、ポーランドからスウェーデン南部まで広がっているという。
これはGPS妨害とみられ、わずか2日間弱で1600機以上の旅客機が、影響を受けたとされている。
影響を受けた旅客機の多くには、乗客が乗っていたが、この妨害により、旅客機は上空での位置に関する誤った情報を与えられるため、深刻な問題を引き起こす可能性があったそうだ。
GPS Jamming by the russians
EW systems in Kaliningrad continue to operate at full capacity and cover an increasingly large area, OSINT analyst Marcus Johnson“At least 873 planes in 46 hours had their navigation equipment out of order. Each of them was a passenger plane filled… pic.twitter.com/5OMI59wgWM
— Jürgen Nauditt 🇩🇪🇺🇦 (@jurgen_nauditt) March 17, 2024
カリーニングラードから妨害か?
このGPS妨害行為は、リトアニアとポーランドに挟まれたロシア領の飛び地、カリーニングラード州から行われたと考えられている。
カリーニングラードには、ロシア海軍の基地があり、リトアニアの国防関係者によれば、そこではジャミングやスプーフィング(衛星になりすました疑似電波)を含む、GNSS(衛星を用いた測位システム)干渉を行う、幅広い軍事装備を保有しているという。
ポーランドの国防関係者は、こうした能力は「社会に、脅威の雰囲気と無力感を生み出すために利用されている」と語っている。
またスウェーデンのJoakim Paasikivi中佐も、この妨害行為は「ロシアの影響力を高める活動、あるいは、いわゆるハイブリッド戦争の結果である可能性が高い」との見解に同意したそうだ。(了)
出典元:METRO:Russia jams the GPS of more than 1,600 planes above Europe(3/26)