パキスタンで列車がハイジャックされ、軍が救出作戦を実施、人質数十人が死亡

パキスタンで先日、列車がハイジャックされる事件が起き、数多くの人質を救出する作戦が行われた。
分離主義者の過激派が線路を爆破
このハイジャック事件は3月11日の午後、約450人の乗客を乗せた列車が、南西部のバローチスターン州にある険しい山岳地帯を走行中に発生したという。
列車をハイジャックしたのは、分離・独立派の過激派グループ「バローチ解放軍(Baloch Liberation Army:BLA)」とみられ、彼らは線路を爆破し、急行列車を襲撃。数多くの乗客を人質にしたそうだ。
BLAは、48時間以内に、「バローチ解放軍」の政治犯や活動家などを解放するよう要求。解放されなければ、人質の殺害を開始すると脅していた。
Video released by Pakistan separatists, the Balochistan Liberation Army, show the moment they attacked a train on Tuesday and took hundreds of passengers hostage. Officials said that more than 300 people were rescued but a number of people were killed. pic.twitter.com/mSlYi27nls
— Al Jazeera English (@AJEnglish) March 12, 2025
過激派33人と人質21人が死亡
そして3月12日の夜には、BLAが声明を発表。パキスタン政府が政治犯の交換に応じなかったとして、人質50人を殺害したと明らかにした。
その後、パキスタン軍と治安部隊は列車の制圧のため、空と陸からの攻撃を開始。過激派33人を殺害し、190人の人質を解放したが、人質21人は死亡したという。
BLA側は、爆発物のベストを着た自爆犯を人質の近くに配置しており、また救出作戦では僻地の険しい地形により、通信や兵の動員が困難になっていたそうだ。
BLAはハイジャック当初から、乗客の一部を列車から降ろしており、解放された人々は険しい山岳地帯を7時間以上かけて歩き、安全な場所にたどり着いたとされている。
BLAは、ハイジャックについて「パキスタンによる数十年にわたる、バローチスターンの植民地支配と、バローチスターンの人々に対する容赦ない戦争犯罪への直接的な反応である」と述べていたという。
バローチスターンは、イランとアフガニスタンに隣接する広大な地域で、BLAの拠点とされ、分離主義グループは数十年にわたりパキスタン軍と戦い続けてきたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Pakistan operation to free hostages after train hijacking ends with dozens killed(3/12)