イラクで643人の遺体を発見、イランが支援する部隊が大量虐殺か
イラクでISISとの戦闘が繰り広げられた戦場の近くから、驚くほど多くの市民の遺体が発見された。
イラク軍などが奪還した地域
サウジアラビアの報道機関「Al Arabiya」によれば、政府の情報筋がファルージャの北、5kmの地点で643人を含む多くの遺体を確認したという。
これらの遺体は市民とみられており、そのエリアはスンニ派のal-Muhamdah族が暮らしていた場所だとしている。
この地域はISISに支配されていたが、その後イラク軍とイランが支援している国民動員部隊(Popular Mobilization Units (PMU): ハシド・シャービ)が奪還した。
イランが支援する部隊が市民を誘拐か
しかしアムネスティ・インターナショナルによれば、ISISから解放されてから間もなく、2016年の6月にこの町から643人の男性と少年が連れ去られたという。
連れ去ったのは国民動員部隊の一部とみられており、彼らは市民らを「イエローハウス」と呼ばれる施設に閉じ込めて、拷問などを加えていたそうだ。
そこからの生存者の話によれば、捕らえられた市民らはISISに所属していたとして責められ、体や頭などを殴られるなどして拷問を受けてきたという。
水や食料もほとんど与えられず、捕らえられてから2日目に10人分しかない小さな水の入ったボトルが運ばれてきただけだったとか。生還した1人はNGOに対して次のように語っている。
「彼らは私たちのうちの約300人をトラックに乗せて連れて行きました。(略)彼らは私たちに2人ずつ手錠をし、1人の男性がそこで死にました。のどの渇きか、窒息だったと思います。他は外へ連れ出され、それから私は銃声を聞きました。その後、何かを燃やすような臭いがしました」
この国民動員部隊は、戦闘が終わったのち、イラクの州の一部に組み込まれ、徐々に軍事組織から警察へと役割を変化させているという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Mass grave containing remains of 643 civilians discovered in Iraq(12/15)