「新型コロナなんか怖くない」イランの男性、聖廟の門を舐めて逮捕
新型コロナウイルスの感染が拡大しているイランで、警告を無視して聖廟の門を舐めた男性らが逮捕された。
舌で門を舐める様子を撮影
2人のうち1人の男性は先日、ゴム州の州都、ゴム(Qom)にある神聖な「ファーティマ・マスメフ廟」を訪問。
カメラに向かって「私は新型コロナウイルスを恐れてはいない」と語り、寺院の門を舌で舐めたという。その後、投稿された動画は数百万回も再生された。
もう1人の男性も先日、マシュハドにある聖廟を訪れ、「私は廟から病気を取り除くために来た」と語り、やはり舌で舐める動画を撮影したそうだ。
男性はその際、「病気は自分の中に入るから、他の人は心配せず、廟を訪れることができる」といった趣旨を述べたという。
While the city of Qom is the epicentre of #CoronaVirus in Iran, authorities refuse to close down religious shrines there.
These pro-regime people are licking the shrines & encouraging people to visit them.
Iran's authorities are endangering lives of Iranians & the world pic.twitter.com/s9o6zYhzNQ
— Masih Alinejad 🏳️ (@AlinejadMasih) February 29, 2020
いまだに聖廟が閉鎖されていない
これらの動画はイランのジャーナリストで活動家の女性、Masih AlinejadさんがSNSでシェアしたことにより拡散し、その結果2人はイラン当局に逮捕されてしまう。
イランの国会議員であるHasan Nowrozi氏は、今回の動画に映っていた男性について次のように述べている。
「このような慣例に従わない行為をした人たちは、当局(の警告に)に背き、フェイクニュースや迷信的な情報を発信したことになります。そのような人々は2年2カ月間刑務所に服役し、最大で74回の鞭打ち刑を受ける可能性があります」
しかしジャーナリストのAlinejadさんは、2人を逮捕するだけでは不十分で、新型コロナウイルスに苦しんでいる人々がいるゴムや他の町では、いまだに聖廟が解放されていると警鐘を鳴らしている。
実際、ゴムの街は新型コロナウイルスが蔓延していると言われているが、そこにある聖廟にはいまだに海外からも多くの人々が集まっているという。
しかし宗教指導者の中には、ファーティマ・マスメフ廟を含めた他の聖廟には、病気を治す神聖な力があると信じているようだ。(了)
出典元:BBC:Coronavirus: Iran holy-shrine-lickers face prison(3/3)