世界で最も悪質なマルウェア「Emotet」のネットワークを国際的な連携で破壊
これまでに数多くの損害を与えてきた「マルウェア(損害をもたらす悪意あるソフトウェアなど)」の仕組まれたコンピューターが、国際的なサイバー犯罪の取り締まりによって押収された。
2014年に初めて欧州で確認
そのマルウェアとは「Emotet」。これは2014年に初めてヨーロッパで確認されて以来、数年間に渡って世界に広がり続けたという。
そして世界中のコンピューターからデータを盗んだり、またはネットワークを混乱に陥れたりするなどの犯罪を繰り返し、これまでに数百万ドル(数億円)の損害を与えてきたそうだ。
しかし先日、アメリカやイギリス、カナダ、リトアニア、フランス、ドイツ、ウクライナなどのサイバー犯罪対策チームが連携し、このマルウェアを実行している何千ものコンピューターを押収。ネットワークを破壊した。
大幅に進化し、ステルス性も強化
FBI(米連邦捜査局)によれば、最初に「Emotet」に対する調査を行ったのは2017年、ノースカロライナ州の学区内でコンピューターが侵害された時だという。
その後「Emotet」は大幅に進化し、さらにステルス性も強化され、人々のコンピューターに追加のマルウェアを仕掛けるための扉を開かせるようになったそうだ。
特徴としてはマイクロソフトの「Word」の添付ファイルがメールで送られ、被害者のコンピューターへアクセス。この情報をさらに危険なマルウェアをインストールした犯罪者に売り渡す。
その後、ランサムウェア(身代金を要求するマルウェア)を介したデータの盗難や恐喝など、さまざまな違法行為が展開されるという。
専門家は「Emotet」が2020年で最も成功し、蔓延しているマルウェアと語っており、1年の間に15万を超える異なる件名と10万の添付ファイル名を含むフィッシングメールを送信したと述べている。
また別の専門家は、今回の押収によって「(Emotetの)作成者とそのサポートおよびオペレーターが逮捕されなくても、再建を試みることはないでしょう」と述べている。(了)
出典元:Good News Network:‘World’s Most Dangerous Malware’ Emotet Taken Down in International Cyber Crime Effort(2/4)
出典元:BBC:Emotet botnet taken down by international police swoop(1/27)