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鳥がガラスに衝突する事故を大幅に減らした、カナダの街の取り組みが画期的

鳥がガラスに衝突する事故を大幅に減らした、カナダの街の取り組みが画期的
flickr_Guilhem Vellut

鳥がビルに衝突しないよう、カナダの街が取り組み続け、大きな成果を上げていることが明らかにされた。

 

ガラスに衝突し、毎年数百万羽が死ぬ

 

その街とはカナダ南東部、オンタリオ州の州都になるトロント。

 

そもそもビルのガラスは、多くの鳥にとっては危険とされ、衝突によって毎年数百万羽が死んでいる都市もあるという。

 

トロントも渡り鳥の主要なルートになっており、これまで多くの鳥たちがビルのガラスに映った景色を錯覚し、衝突して死んでいたそうだ。

Facebook/Fatal Light Awareness Program Canada

鳥たちが正しく認識できる窓を設置

 

そこでこの街では2009年以来、鳥たちに優しい建物にする取り組みが行われてきたとされている。

 

実際、ガイドラインでもトロント市内に建てられたどんな構造物も、ガラスへの鳥の衝突を防ぐいくつかの方策を取らなければならないとしている。

 

そのためこの街のビルは過度にガラスのパネルを取り付けることができず、パネルを付けたとしても外観のガラスの多くは、鳥たちが錯覚を起こさず、正しく認識できるようマーカーが付けられているとか。

FLAP

またいくつかの窓は反射する割合を減らすため、建物の内側に後退させられ、他の窓もブラインドやシャッター、日よけを備えているという。

 

さらに明るい場所に惹きつけられる鳥のために、夜はビルの光を消すようにしており、古いビルも渡り鳥が適応できるよう、わずかにアップグレードさせられているそうだ。

 

年に100羽が死んでいたビルも2羽に減少

 

トロントに新しく建てられたビルは、全てこのガイドラインに沿っており、このため大幅に鳥たちの衝突事故を防ぐことができるようになったという。

 

実際、あるビルなどは年間100羽の鳥が窓ガラスに衝突して死んでいたが、マーカーを取り付けるようになってから、年に2羽にまで減ったそうだ。

 

これらの活動を積極的に推進してきたのは、鳥の保護に取り組んできた団体「FLAP(Fatal Light Awareness Program)」。この団体の事務局長であるMichael Mesure氏は、次のように声明で語っている。

 

「鳥の保護におけるFLAPの、ここ数年に及ぶ精力的な活動は、ついに私たちが最も望んできた結果の1つを生み出しました。今までは単にそれを夢見ていただけでした。Lights Out! Torontoや市議会、都市計画部などの関係者による積極的な役割なしには、トロントは決して鳥に優しい都市のチャンピオンにはなれなかったでしょう」

 

人間のせいで失われなくてもいい命を守ろうと工夫し、それを実現させたこの取り組みは画期的なことと言えるかもしれない。(了)

 

 

出典元:Good News Network:Here’s How Thousands of Birds Are Being Saved From Flying into Toronto Buildings(3/15)

出典元:BBC:How to stop birds smashing into windows(3/15)

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