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BLMのデモ参加者を射殺した事件、18歳の被告に無罪の判決【事件当時の動画あり】

BLMのデモ参加者を射殺した事件、18歳の被告に無罪の判決【事件当時の動画あり】
Twitter/Bishop Talbert Swan

昨年、アメリカのウィスコンシン州で起きた銃撃事件の裁判が行われ、被告に無罪が言い渡された。

 

しかしこの判決は、アメリカだけでなく、イギリスのBBCやガーディアン紙なども大きく取り上げ、世界的な注目を集めている。

 

黒人男性への発砲事件に対する抗議デモ

 

この事件が起きたのは2020年8月25日、場所はウィスコンシン州の街、ケノーシャとされている。

 

当時、黒人男性のJacob Blakeさん(29)が警官に背後から銃で撃たれたことを受け、街では激しい抗議デモが起きていた。

 

そしてネットでは、この抗議デモを収めるため、または市民の財産を守るために、「武装した愛国者(白人)」に集まるよう、呼びかけが行われたという。

 

セミオートのライフルを手にデモの現場へ

 

当時、17歳だった白人のKyle Rittenhouse被告も、この呼び掛けに応じて、AR15タイプのセミオートライフルを持って、イリノイ州から抗議デモの現場に駆けつけた。

 

当然、抗議デモの参加者は被告がライフルを手に現場に現れたため、取り囲もうとした。その時、Rittenhouse被告が発砲し、デモ参加者のJoseph Rosenbaumさん(36)とAnthony Huberさん(26)が死亡、Gaige Grosskreutz(27)さんが負傷した。その時の様子がこちら。

 

 

被告を取り囲もうとしたGrosskreutzさんはこの時、拳銃を持っていたとされ、Rittenhouse被告は今回の裁判でも、「人を殺すつもりはなかった。正当防衛だった」と涙ながらに訴えた。

 

しかし最初に被告に近づいて行ったRosenbaumさんやHuberさんは、銃などは持っていなかったと言われている。

 

そして11月19日、陪審員による審議を経て、Rittenhouse被告には全ての容疑について、無罪が言い渡された。

 

死亡した男性の両親が批判

 

殺害されたHuberさんの両親は、今回の無罪判決について「心が砕かれる思い」「怒っている」と心情を吐露。その上で次のように語った。

 

「今日の判決は、私の息子を殺した人間には、なんの責任もないことを意味しています。それは武装した市民が街のどこでも姿を現すことができ、暴力を扇動し、自分たちが作り出した危険を利用して、街で人を撃つことも正当化できる、という受け入れがたいメッセージを送っています。全ての証拠を見ても、合理的な判断ができる人なら、Rittenhouse被告が自衛のために行動したという結論には至らないはずです。Rittenhouse被告は人々を殺すために武装してケノーシャに来たのです。そしてケノーシャ警察は、被告に暴力的に振舞うよう促したのです。その結果として、息子は死んだのです」

 

また活動家のアル・シャープトン牧師も、次のように語っている。

 

「この評決は自警団を助長する非道で危険なものだ。自分たちの命は重要ではないと信じる人々の手で殺された黒人たちにとって、この暗い日々が続くことになる」

 

一方、今回の判決を受け、バイデン大統領は次のように述べた。

 

「ケノーシャでの判決は、私も含めて多くのアメリカ人に怒りと不安を抱かせるだろうが、陪審員が話し合ったことを認めなければなりません。私は、すべてのアメリカ人が法の下で公正さと尊厳をもって平等に扱われるよう、全力を尽くすという決意を固めています」

 

当サイトでも、事件当時の様子を取り上げている。そちらも是非、ご覧いただきたい。またBBCでも、今回の裁判の論点について、詳しく報じている。(了)

 

黒人銃撃事件のデモ参加者に向け、17歳の男がライフルを発砲、2人死亡【動画】

出典元:ABC News:Kyle Rittenhouse acquitted on all charges(11/20)

出典元:USA TODAY:Kyle Rittenhouse collapses as jury finds him not guilty; Biden ‘stands by what the jury’ decided: What we know(11/19)

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